本の展示
熱田図書館 企画展示 明治150年「復活御園座~明治歌舞伎の系譜~」≪展示期間:3月17日(土)~4月19日(木)≫
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2018年3月21日
展示期間:2018年3月17日(土曜日)~4月19日(木曜日)
明治30(1897)年の開場以来、芸処名古屋の歌舞伎ファンのホームグラウンドだった「御園座」が、平成30年4月1日(日曜日)に高麗屋の襲名披露で復活します。
熱田図書館では、これを記念して、歌舞伎の本の展示を行います。
今年は「明治150年」。明治に活躍した歌舞伎俳優から、縁戚関係や師弟関係等の系譜は、現在の俳優さんにつながっています。
そこで、御園座を扱う本をはじめ、芸談、歌舞伎入門書、小説などの歌舞伎関連本を集めました。明治から平成まで、4代の歌舞伎の系譜を辿る企画です。
■ 主な展示資料 ■
No. | 書名 | 著者名 | 出版者 | 出版年 | 分類 | コメント |
1 | 抱きとんぼ | 長谷川栄一/著 | 御園座 | 1980 | A774 | 御園座創始者の孫で社長(当時)の著者が御園座史に載っていない裏話をまとめた本。初代吉右衛門との親交はじめ、御園座の舞台を題材にした歌舞伎の見方の造詣の深さなど、さすがの内容。なお、「抱きとんぼ」は御園座の座紋。 |
2 | 歌舞伎家と血と芸 | 中川右介/著 | 講談社 | 2013 | 77426 | 市川、松本、中村など歌舞伎の7家の血と芸の継承を解説する本。これで今回の企画がネタバレ。 |
3 | 現代の歌舞伎藝談 御園座創立95周年記念 | 御園座演劇図書館/編 | 演劇出版社 | 1990 | 774 | 昭和50~60年代の歌舞伎俳優23人と新国劇の俳優2人の計25人と藤野御園座演劇図書館長との対談集。当時、未来を語った彼らの今は? |
4 | きのね 上・下 | 宮尾登美子/著 | 朝日新聞社 | 1990 | 9136 | 11代目團十郎の妻がモデルの小説。明治から昭和にかけての歌舞伎史がほぼ正確にたどれる。ただし、登場人物の名は架空。7代目宗四郎家の女中光乃が長男雪雄(後の11代目松川玄十郎)の世話係から妻となり子をもうける。苦労の末の夫のサクセスストーリーに胸躍る。 |
5 | 歌舞伎百年百話 | 上村以和於/著 | 河出書房新社 | 2007 | 77426 | 1903年の團菊没後2002年までの歌舞伎の100年を1年ごとのトピックスで整理し100の話をそれぞれ見開き2ページで解説する本。話題のない年も話題を作って整然とつなぐ著者の苦労が涙ぐましい。 |
6 | 御園座百年史 | [御園座/編] | 御園座 | 1999 | A770 | 御園座の劇場開設準備からの歴史を詳細に解説する本。上演記録もすべて載っている。明治の團菊左の全盛期に開場した御園座は、川上音二郎や松井須磨子なども公演。やがて、世代交代と日清日露戦争の波が押し寄せ、時代は大正へと移って行く。 |