読み聞かせ絵本のたね(中・高学年から)
- 本のなまえや表紙をクリックすると、貸し出し中かどうかなどがわかります。
- 書名、著者名、出版社、出版年、本のあらすじのほかに、絵本の特徴や読み聞かせする際に気を付けていることなど、図書館の専門職員である司書がコメントしています。
- ★マークは聞き手の対象を表しています。
【★★】小学校中学年~、【★★★】小学校高学年~ - 読み聞かせにかかるおおよその時間を表示しています。聞き手の反応によって時間に幅がある場合は、「~」で表示しています。
- 季節、昔話などお話に特徴があるものについては表記しています。
- 同書名で大型絵本もある場合は「大型絵本」と表示しています。
- 表紙の画像掲載に関する著作権の許諾については、出版社の許可をいただいております。
書名 あ行
【★★★】 あくたれラルフ
あくたれネコのラルフはセイラのネコでした。いつもセイラをからかったり、お父さんの大切な物を無茶苦茶にしたり、やりたい放題です。家族でサーカスに行った時、大暴れしたので、とうとう置いていかれることになりました。ラルフはそこで生きる厳しさを学びます。しばらくして再び戻ってきたラルフを家族は温かく迎えます。ラルフも二度とあくたれはしまいと思っています。えびのごちそうの時だけはがまんできませんが。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
働くことや家族のことなど、高学年へのメッセージがたくさん盛り込まれています。ラルフのあくたれぶりは正直ひどすぎて驚かされますが。
【8分】
【★★】 アベコベさん
アベコベさん一家はいつも真夜中に起きて、パジャマに着替えて寝室で夕食を食べます。全てがさかさまのアベコベさん一家がある日、お隣のプラムさんに留守番を頼まれます。プラムさんの家の様子に驚いて、アベコベさん風に片づけをしたり、プラムさんの娘に絵は壁に描くのよと教えたりしました。そして、窓から入ってきた泥棒をお客さんだと思い礼儀正しくおもてなしをしたところ、泥棒はこわくなって逃げ出してしまいました。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
大人数だと絵の面白さが伝わりにくいのですが、訳文がよくできているので、「さかさま」のおかしさを十分楽しんでもらえます。
【7分】
【★★】 いつもちこくのおとこのこ ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー
ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーが学校へ行こうとすると、かばんにわにがかみついたり、ズボンにライオンがかみついたり、高潮にのまれそうになったりと、とんでもないことが起こるので、いつも遅刻してしまいます。先生に遅刻した理由を正直に話しても信じてもらえません。そのうえ、罰としていろんなことをさせられます。最後に、先生の身にも信じられないことが起こりますが、ジョンは先生に見事にお返しをします。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
頭の固い先生への風刺も含まれているので、ナンセンスなお話が好きな先生や子どもたちにおすすめです。見返しに、ジョンが罰として何回も書かされた文章があります。
【6分】
【★★】 うえきばちです
植木鉢に「のっぺらぼう」を植えて、大切に育てる様子を綴っています。「め」が出て、「は」が出て、「はな」が咲き、のっぺらぼうはのっぺらぼうでなくなります。「どーっだ」と植木鉢から抜け出し、「あしからず」とどこかへ行ってしまいました。仕方がないので、また「のっぺらぼう」を植えて、水をやりました。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
かわいらしい表紙からは思いもつかない展開と、ダジャレの連発に引き込まれます。インパクトが強く、導入や気分転換に向きます。ゆっくりと大まじめに読んでください。「面白い」でなく「こわい」と思う子もいるので注意。
【2分】
【★★★】 ウエズレーの国
仲間外れにされていたウエズレーは、夏休みの自由研究で、自分だけの作物を育て、自分だけの文明を作ることに決めた。ある夜、風に乗って飛んできた種は、大きく育ち、ウエズレーはその作物を使ってたくさんの発明をしていった。初めは遠くから見ていた近所の子どもたちも、ウエズレーの発明に興味をもち、次第に仲間が増えていく。夏休みが終わると、ウエズレーにはたくさんの仲間ができていた。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
鮮やかな色づかいの絵なので、離れていても絵がよく見える。夏休み前の読み聞かせにちょうどよい。自由研究に対するイメージを楽しくしてくれる1冊。
【10分】
【★★★】 ウェン王子とトラ
昔、森の奥にトラのお母さんが住んでいました。母トラは子どもを人間に殺されたことをうらみ、村をおそっては村人を食い殺しました。困った王さまは占い師のすすめで、むすこのウェン王子をトラにさしだすことにします。小さなウェンを見たトラは、これまでの怒りをしずめて、一緒に山のむこうで暮らすようになりました。森のことをトラから教わり育ったウェンは、大きくなるとトラと別れ、王子として城に帰ることになります。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
見開きのページで、絵が何分割かされているところがあります。急いで進めずに、子どもたちがゆっくり場面を追えるように読みましょう。
【9分】
【★★】 王さまライオンのケーキ はんぶんのはんぶん ばいのばいのおはなし
王さまライオンの食事会に招待された9匹の動物たち。デザートのケーキを半分取って隣にまわしていったら、最後の王さまの分がなくなってしまいました。そのおわびに、アリは王さまのためにケーキを焼いてくると約束します。すると、隣のコガネムシは2個、その隣のカエルは4個というように、他の動物たちも隣の動物の倍の数のケーキを作ると言い出し、とうとう最後のゾウは256個のケーキを焼くと約束してしまいます。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
ケーキの数が倍に増えていくところは、聞き手が考えられるように少し間をとって読むとよいでしょう。
【9分】
【★★★】 おとうさんのちず
戦争から逃れるため、ぼくたちの家族は命からがら遠い国までやって来た。ある日、お父さんがパンの代わりに地図を買ってくると、お母さんはとても辛そうにした。ぼくはひもじさからお父さんを怒った。でも壁に貼った地図を眺めて過ごすうちに、不思議な感覚を味わうようになる。地名を読み上げるとそれがあたかも魔法の呪文になって、ぼくの心は狭い部屋にいながら世界中どこへでも自由に旅をする。地図を買ったお父さんは正しかった。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
著者の戦争体験が元になった本。厳しい戦争の状況下でも、希望を持って生きていた姿がうかがえる。
【6分】
【★★】 鬼の首引き
昔、力もちの若者が都へ向かう旅の途中で、大きな鬼に捕まります。鬼は"お食い初め"として、娘に若者を食べさせようとします。娘は若者を食べようとしますが、若者が娘をたたいたり、力比べで負けたりしてかないません。鬼の仲間がおおぜい集まり、若者の首にひもをかけて、首引きの力比べをすることになりました。若者は力のかぎりふんばった後、ひょいと首のひもを外し、鬼たちが転がったすきに、とっとと逃げ出しました。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
恐ろしいが子煩悩の親鬼と、初めて人を食おうとする娘鬼、なんとか食われまいとする若者3者の、話しのかけ合いを楽しみたい。
【5分】
【★★】 おばけのひっこし
昔、家が手狭になったため、広い家をさがしていたおとどは、古くて立派な空家を見つけました。ところが、そこにはすでにおばけたちが住んでいました。おとどがひとりでその家に泊まると、おばけたちはおとどを追い出そうとあの手この手で驚かします。しかし、おとどはちっともこわがりません。困ったおばけたちが「ここを追い出されると住む場所がない」とおとどに訴えたため、おとどは、自分の手狭になった家と交換することにしました。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
おとどが、べんべろべえを驚かす場面はテンポよく読みたい。
【8分】
【★★★】 おぼえていろよおおきな木
みごとな大きな木があり、その木のかげにおじさんが住んでいました。朝には、小鳥が集まってうるさいし、洗濯物は乾かないし、おじさんは気に食わないことがあるたびに「おぼえていろよ。」といっていました。ある日、おじさんは、とうとうおので木を切り倒してしまいました。すると、春になったことも、朝になったこともわからなくなってしまいました。おじさんは本当に満足したのでしょうか。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
小さい本なので、教室など広いところで読むときは、前の方に集まって聞いてもらうとよいと思います。
【8分】
書名 か行
【★★】 かえるをのんだととさん 日本の昔話
腹が痛くなったととさんは、和尚さまに言われたとおりに蛙を飲み込んだ。腹痛は治まったが、蛙が腹の中を歩き回るので気持ちが悪い。そこで和尚さまに相談すると、蛇を飲むといいと言う。その後もととさんは、雉、猟師、鬼を飲み込んだ。最後に飲み込んだ鬼の角が腹にささるので痛くて困っていると、和尚さまはととさんに口を開けさせ、豆を投げ入れた。すると、鬼は嫌がり尻の穴から飛び出して、ととさんはすっかり元気になった。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
飲み込むものが大きくなり、「次は何を飲むんだろう?」と聞き手のわくわく感が高まる。絵も迫力があり遠目がきくので、節分の読み聞かせにぴったり。
【8分】【節分】
【★★】 かしこいさかなはかんがえた
昔むかし、一匹のかしこい魚がいました。この魚は、「りくのうえをたんけんしたいなあ」と思っていました。魚が陸を歩くなんて無理? でも、かしこい魚はあきらめず、考えに考えました。とうとう足で歩くことを思いつくと、かしこい魚は、かっこいい足をつくってひれにはき、海から砂浜にあがって歩き出しました。何百万年、何千万年もの時の流れ、生物の進化を考えさせる絵本。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
絵の中に字が入り込んでいるので、読みながら字の場所をさがさないように気をつける。太字の部分は、すこし強調して読むとよい。
【10分】
【★★】 きつねのホイティ
スリランカのある村はずれの森に、くいしんぼうぎつねのホイティが住んでいました。村には仲良し3人組のおかみさんがいました。ホイティは人間のふりをして、おかみさんたちの家へ順番にごちそうになりに行きます。ホイティはうまくだましたつもりでしたが、おかみさんたちは最初からきつねだと知っていました。そして、いい気になったホイティが自分たちをばか呼ばわりしているのを知り、おかみさんたちは、うんとからかって仕返しをすることにしました。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
繰り返しが楽しいお話です。歌を歌うところはリズミカルに読むとよいでしょう。10分以上かかりそうなので、時間に余裕がある時にゆっくりどうぞ。
【11分】
【★★★】 この世でいちばんすばらしい馬
絵師ハン・ガンの描く見事な馬は、生きて絵から抜け出すという噂がたった。ある武将の依頼で描いたハン・ガンの馬は絵から飛び出し、武将を乗せて戦場へと駆けてゆく。武将は戦いに勝利を収め続け、敵を一人残らず倒そうとする。しかし、戦いの悲惨なありさまを見つめ続けた馬は、武将を振り落とし、傷ついた体のまま駆け去る。ハン・ガンのもとに戻った馬は絵の中に帰り、静かに暮らしているのだった。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
迫力のある大きな美しい絵と、緊迫したストーリーが心を揺さぶり、様々な思いを起こさせる物語。読み手は落ち着いて、じっくり絵を見せてゆきたい。
【8分】
【★★】 こぶとりたろう
母さんから、頭が柔らかくなるおまじないをされた後に勉強したせいで、たろうの頭に4つもこぶができてしまった。元に戻すために、「こぶとりじいさん」のようにオニにとってもらおうと、妹のちょん子とともに山奥まで行く。山奥には本当にオニたちがいて、たろうのこっけいな歌と踊りを気に入り、思惑通りにこぶをあずかってくれた。オニたちはあずかったこぶを自分の子どもたちにくっつけると、子どもたちはとたんに賢くなったのだった。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
地の文は淡々と、たろうとちょん子のかけあいの場面や、たろうがオニの前で歌い踊る場面は、テンポよく読む。全体的に楽しい気持ちで読むとよい。
【10分】
書名 さ行
【★★】 しもばしら
空気や地面の中に含まれる水分は、温度によっていろいろな形に変化します。雪、つらら、しも、しもばしら、どれも水が冷えてこおった、氷の仲間です。水の状態変化や、地面の氷のつぶから、しもばしらができていく様子、さまざまな形のしもばしらを、たくさんの写真で紹介している科学絵本です。
巻末に、氷についての解説と、しもばしらをつくる実験方法が載っています。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
文章が写真に重なっていて、文字が見えにくい部分があります。写真をよく見て楽しめるように、文はゆっくりめに読んだ方がよいと思います。
【4分】【冬、雪】
【★★】 すごいね!みんなの通学路 世界に生きる子どもたち
世界には、学校に行きたくても行けない子どもたちがいます。学校がすごく遠かったり、道がなかったり、苦労して登校している子どもたちもいます。自分で舟をこいだり、落ちそうな橋を通ったり、高い崖や氷の山を越えて歩いたり。机や椅子、大きなたらいに入れた飲み水を、自分で持って行かなければならない学校もあります。それでもたどり着いたら笑顔。みんな学校が大好きだから。子どもたちの驚くような通学路を写真で紹介します。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
書かれている文章は短いが、しっかり写真を見せるよう間(ま)をとって読みたい。
【5分】
【★★★】 ストライプ たいへん!しまもようになっちゃった
カミラはリマ豆が大好きです。でも学校のみんなはリマ豆を嫌いなので、人の目を気にするカミラは絶対に食べようとしません。新学期の朝、カミラの体は色とりどりの縞模様になっていました。翌日からも、星条旗や水玉模様と色や形がくるくると変わり、とうとう体がとけて部屋と一体になってしまいます。途方にくれるカミラの家に一人のおばあさんがやってきて、カミラにリマ豆を食べさせると、カミラは本当の自分を取り戻します。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
絵は、色づかいがはっきりしているので遠目がききます。1ページに対する文章が長いところもあるので、あせらず落ち着いて読みましょう。
【10分】
【★★】 ゼラルダと人喰い鬼
お料理が大好きな女の子ゼラルダは、町へ作物を売りに行く途中、腹ぺこの人喰い鬼に出会いました。かわいそうに思ったゼラルダが、売り物を半分も使ってごちそうを作ると、そのおいしさに、人喰い鬼は城に来て料理を作ってほしいと頼みます。ゼラルダのごちそうに近所の人喰い鬼たちも感激し、子どもを食べることを、すっかり忘れてしまいました。町は平和になり、やがてゼラルダは人喰い鬼と結婚し、末永く幸せに暮らしました。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
出だしのこわい雰囲気が、おいしそうな料理の登場によって、変わってきます。料理のところは、しっかりとおいしそうに読んで盛り上げてください。
【10分】
書名 た行
【★★】 だいじょうぶだいじょうぶ 大型版
ぼくが小さいころ、ぼくとおじいちゃんは毎日お散歩を楽しんでいた。そのたびに新しい発見や楽しい出会いがあったが、その分、困ったことやこわいことにも出会った。そのたびに、おじいちゃんはぼくの手をにぎり、「だいじょうぶ だいじょうぶ。」と言ってくれた。いつもおじいちゃんに助けてもらったので、今度はぼくの番だ。年をとって寝ているおじいちゃんに、ぼくは「だいじょうぶ だいじょうぶ。」と繰り返し励ますのだ。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
「ちいさな絵童話りとる」版もあるが、読み聞かせには大型版がよい。ひたすら淡々と読むのがよい。
【5分】
【★★】 だいふくもち
なまけもののごさくが、ある日、床下にいた「だいふくもち」に言われるまま、あずきを食わせてみたら、だいふくもちは、小さなもちを次々と産んだ。その、なんともうまいこと。ごさくは、このもちを売って大金持ちになった。ところが、ごさくがもっともっとと無理をさせたので、だいふくもちは、もう何も産まなくなってしまう。やがて、だいふくもちも、ごさくも、だんだんしなびていき、とうとう消えてなくなってしまった。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
心地よい方言のリズムを大切にしたい。意外な展開に、子どもが惹きつけられるのがわかる。面白さと、不気味さの混じった不思議な絵本。
【6分】
【★★】 太陽へとぶ矢 インディアンにつたわるおはなし
昔、太陽の神は命の力を一本の矢に変え、大地に飛ばした。その矢を受けた娘は男の子を産んだ。成長した男の子は「親なし子」といじめられ、父親さがしの旅に出る。訪ね歩いた末に出会った矢づくりの年寄りは、男の子が太陽の神の子とわかり、彼を一本の矢に変え、太陽へ飛ばした。太陽の神は息子である証拠にと、男の子に4つの試練を与える。それを無事のりこえた男の子は、すっかり変わり、太陽の心を持って、再び大地へと戻った。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
シンボリックな絵と色彩が美しく、遠目で見るとさらに魅力的な絵本。4つの試練の場面は、絵だけで語られているので、ゆっくりと見せるとよい。
【7分】
【★★★】 地球をほる
夏休み、となりのけんたと旅行に行くことにしたつよし。地面に穴を掘って、地球の裏側に行ってみよう。けんたの姉も誘い、アメリカのペンフレンドの家を目指します。持ち物の準備をし、両親と物資の補給を打ち合わせ、いよいよ旅立ち。穴の幅と角度を確認し、どんどん掘っていきます。地上に出ると、そこはペンフレンドの隣の家の庭。日本から掘って来たといっても信じない住人に"try to look!"穴を覗くと"That is Mt.Fuji."
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
始めと終わりで、上下が逆になるので、本文の角度に合わせ、本を回しながら読んでいきます。英語のセリフの部分は、訳も併せて読むなど、聞き手に合わせた工夫が必要です。練習してから臨みましょう。
【10分】
【★★★】 綱渡りの男
大道芸人のフィリップは、完成間近のツインタワーに忍び込みました。2つのタワーの間で綱渡りをするためです。一晩かかって綱を張り終えると、フィリップは綱の上に進み出ました。そして、地上から400メートル上空で、悠々と歩き、踊り、あいさつまでしました。2つのタワー(世界貿易センタービル)は、今はもうありませんが、フィリップが綱渡りをした事実と一緒に、人々の記憶の中に残っています。実話です。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
うそのような本当のお話だよ、と前置きすると集中して聞いてくれます。画面が大きく広がったり、絵が縦になったりするので練習が必要です。
【10分】
【★★】 でっこりぼっこり
きょだいじんがマラソンを始めました。なにせ巨大なので、通った跡はぼっこり穴があきます。人間はその穴をプールや公衆トイレに利用しました。そして、へこんだ裏側では足跡のでっぱりができていたのです。地球を半周してきたきょだいじんは、でっぱり足跡を踏みつけながら走って行き、そこは元通りになりましたが、裏側のプールやトイレは大変なことに。最後はきょだいじんがつまづいて、頭から地面に突っ込み、地球の裏側から出てしまいます。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
迫力ある絵に、ありえない話が展開するナンセンス絵本です。はっきりした絵ですが、細部が面白いので、じっくり見せるとよいでしょう。
【4分】
【★★】 としょかんライオン
ある日、図書館に入ってきたライオン。おはなしを聞きたいので、静かにするきまりを守る約束を館長として、毎日来るようになりました。図書館のお手伝いもするライオンは人気者。ところがある時、倒れた館長に助けを呼ぼうと、一番の大声で吠えてしまいます。きまりを破って姿を消したライオンに、「大声で吠えてはいけない。ただし、ちゃんとしたわけがある時は別」だと伝えると、翌朝ライオンは図書館に戻って来ました。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
長い話ですが、ペースを早めずしっかりと読みましょう。ライオンがほえる場面が2回あります。一番の大声でほえる2回目の方を大きめにメリハリをつけて読むと良いです。
【12分】
【★★】 にているね!?
じぶんでかっこいいと思っている馬が、椅子に出会います。椅子は、馬に「おまえ、おれににているよね」と話しかけます。全然似ていないと反発する馬に、椅子は、4本足だし、誰かを乗せるし、と共通点をどんどん挙げていきます。馬と椅子が似ていることに気付かされた馬は、新たな考えにたどり着きます「ぼくときみはおんなじだ」。それに対して、椅子は、「おんなじじゃない、にているっていうことさ」と去っていきます。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
違いを考える哲学的な絵本。馬と椅子のセリフは書体が違います。話し手を把握して読みましょう。文章は少ないですが、高学年も楽しめます。子どもたちも考えながら聞くので、間を大事にめくりましょう。
【3分】
書名 な行・は行
【★★★】 ハスの花の精リアン
漁師のローおじさんが、不思議なおばあさんからもらった種を湖に植えると、ハスの花が咲き、光るつぼみからリアンという女の子が現れる。リアンが持つハスの花には魔法の力があった。王様はローおじさんを捕まえ、助けにきたリアンに全ての物を金に変えるよう命じる。さらに王様の娘は、魔法のハスを取り上げようとするが、花に触れたとたん金の像になってしまう。魔法の力は消えるが、リアンはローおじさんと幸せに暮らす。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
見開きのページが、縦の線で複数の場面に区切られているところがあります。聞き手が絵を見られるよう、少し間を意識して読むとよいでしょう。
【7分】
【★★】 バナナのはなし
バナナは暑いところで育つので、寒さが苦手。冷蔵庫に入れると、真っ黒になるのはそのため。バナナの芽は、1年ぐらいで見上げるほどの高さになる。てっぺんに「ほう」という紫色のふくらみができて、その中に花がある。花の付け根には、緑色の小さなバナナが並んでいる。花が枯れると、真っすぐだったバナナが少しずつ上を向いて曲がってくる。ふっくらすると緑色のうちに収穫され、やがて黄色くて甘いバナナになる。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
バナナがどのように育つのか、やさしい言葉で説明されている。絵もはっきりしていて、見やすい。巻末の「バナナの色のはなし」はそのまま読むには向かないが、あらかじめ目を通しておくと補足説明に使える。
【5分】
【★★】 光の旅かげの旅
明け方、車で家を出発する。途中、農場や麦畑を通り過ぎ、海辺へと向かった。海岸に沿って走り、花畑に出た後、ようやく街が見えてきた。街に到着し、映画館やビルで時間を過ごしているうちに日が沈んだ。一度最後まで読んだ後に、上下をさかさまにすると、帰り道のストーリーが始まる。映画館はレストランに、花畑は花火に、そして農場は工場へと姿を変え、我が家への道のりが続く。昼間とは違った風景が暗闇に浮かんでくる。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
白が光、黒が影を表しており、モノクロで描かれている。文字が少ないので早く読んでしまいがちだが、じっくり絵を見てもらうとよい。
【5分】
【★★】 びくびくビリー
心配やで、いろいろなことが気になるビリーは、横になっても眠れません。話を聞いたおばあちゃんは、小さな「しんぱいひきうけにんぎょう」をビリーに渡します。人形に心配事をうちあけると、代わりに心配してくれるのです。ぐっすり眠れるようになったビリーは、心配を引き受けた人形たちがこわい思いをしているのではと考え、人形のために自分で人形を作り、友だちにも作ってあげます。そうしてビリーは、心配やを少し克服します。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
こわがる子どもに共感してくれるおばあちゃんの言葉を丁寧に伝えたい。見返しにグアテマラに昔から伝わる人形だという解説があります。
【4分】
【★★★】 1つぶのおこめ さんすうのむかしばなし
王様が人々からお米を召し上げ、飢饉になっても分け与えようとしないので、賢い娘ラーニはある計画をたてます。王様に、今日は1粒のお米、明日は2粒のお米というように、30日間、それぞれ前の日の倍の数だけお米をくださいと頼みました。王様は承知しますが、2倍、2倍と増えていくと、30日目にはとんでもない量になり、とうとう米蔵は空っぽになりました。これに懲りた王様は、人々にお米を分け与えることを約束しました。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
下読みをしておかないと、数字が読めません。一、十、百、千、万、...と数えることになります。しっかり練習してから読みましょう。ページを広げて読むところがあります。持ち方に気をつけましょう。
【10分】
【★★★】 ひみつのカレーライス
フミオがお父さんお母さんと大好きなカレーライスを食べていると、黒い粒が出てきました。お父さんの分厚い本に、カレーの種だと書いてありました。さっそく庭の真ん中の日当たりのいい場所に種を埋めて、不思議な歌を歌って踊ると、翌朝芽が出ていました。たっぷり水をやると、ぐんぐん大きな木になって、お皿の葉っぱが茂り福神漬けの花が咲き、カレーの実とライスの実がたわわに実りました。町中の人でおいしいカレーライスを食べました。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
カレーの種を埋めたらどんな実がなるのかな?栽培するお父さんの真剣さがなんだか愉快です。洋食のカレーライスが家庭で一般的になった昭和の初め頃のレトロな雰囲気があります。
【7分】
【★★★】 100万回生きたねこ
100万回も死んで、100万回も生きたとらねこがいました。そのねこは、王さま、船のり、女の子などに飼われました。どの飼い主たちも、ねこが死ぬと泣きましたが、ねこは1回も泣きませんでした。ねこは死ぬのなんか平気だったのです。ところがある時、ねこはのらねことして生まれ、白いうつくしいねこに出会います。とらねこは白いねこが自分より好きなくらいでした。はじめて自分以外に好きな相手ができると、とらねこは徐々に変化していきます。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
佐野洋子の不朽の名作。急がずに落ち着いて読みましょう。読み手が物語におぼれないように気をつけて。
【10分】
【★★】 ぼくだけのこと
きょうだいの中でぼくだけ、右のほっぺにえくぼがある。家族の中でぼくだけ、いつも蚊にさされる。仲良し7人組の中でぼくだけ、逆立ち歩きができる。クラスの中でぼくだけ、芸能人のサインを持ってない。ぼくが次々と「ぼくだけのこと」を見つけていき、まわりの人たちもそれを認めてくれる。嬉しいことも、ちょっと残念なこともあるが、世界中のたくさんの人の中で、こんなぼくがたった一人だけいるのはすごいことだと気づく。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
ぼくのセリフとほかの人たちのセリフとの違いが分かるように、おおげさにならない程度に読み方を工夫して。「よんひゃくごじゅうににん」などと、学校の人数がひらがなで書かれている部分は読みにくいので、十分な練習が必要。
【7分】
【★★】 ぼくは弟とあるいた
戦争が近づき、幼い兄弟はおじいちゃんの家に避難することになった。大人たちが争って乗り込むバスの中、ふたりは身を寄せ合うが、砂漠の真ん中でバスが故障してしまう。兄弟は、文句を言って嘆く大人たちと共に荒野を歩く。翌朝サーカス一座がみんなを馬車に乗せてくれた。途中立ち寄った小さな村で赤ちゃんの誕生を祝い、平和なひと時を過ごした人々は、まるで家族のように仲良くなる。そして兄弟は無事におじいちゃんの家にたどり着いた。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
少し長めの話ですが、人々の心情が少しずつ変わっていくのが読み取れるように、落ち着いて読んであげてください。絵も美しいので、よく見えるようにしてあげましょう。
【10分】
【★★】 ぼちぼちいこか
かば君はいろいろなお仕事にチャレンジするも、ことごとく失敗してしまう。「ぼく、しょうぼうしになれるやろか」と、消防士を目指せば、登ったはしごが壊れ、船乗りを目指せば船が沈み、パイロットを目指せばプロペラ機の機首だけが飛んでいってしまう。ピアニストも宇宙飛行士もマジシャンも、ぜんぶだめ。困りはてたかば君は、「ええことおもいつくまで」とハンモックで一休み。「ま、ぼちぼちいこか―ということや」
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
文章はかば君のセリフのみでとても短いが、読み終わったからと次々ページをめくらず、絵をしっかり見せて楽しんでもらいたい。
【4分】
【★★★】 ホネホネたんけんたい
いろいろな動物のホネが登場し、誰だかわかる?と問いかける。カメのように一目でわかるものもあれば、ホネだけになると全く見当がつかないものも。ヘビのしっぽはどこから?ウサギの耳にホネはある?舌や鼻の中、思いがけないところにホネがある。ひれの中には指のホネが。鳥が飛べるのは、羽があるからだけじゃない。ひみつはホネにかくされている。シリーズに『ホネホネどうぶつえん』、『ホネホネすいぞくかん』がある。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
本文中の説明は簡単だが、巻末の解説で補足されているので、あらかじめ読んでおくとよい。写真を見せて、問いかけ、反応を待つと時間はもう少しかかる。各写真の動物名は解説の最後にある。
【14分】
書名 ま行・や行・わ行
【★★】 まんじゅうこわい 落語絵本
町内の若いもんが集まって、自分の嫌いな生き物を言いあっていると、松つぁんの嫌いなものは何とお菓子の「まんじゅう」だという。いけすかない松つぁんを震えあがらせようと、みんなはありったけのまんじゅうを買い集める。さぞかし怖がるかと思いきや、夢中になってまんじゅうをほおばる松つぁん。だまされたことに気づいたみんなが、本当に怖いものは何だ、と松つぁんにつめよると、「このへんで、うまーいお茶が怖い!」。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
文字の大きさが違うので、声の強弱を変えて読んだり、......のところで、上手に間をとると、落語風に聞こえる。オチの「うまーいお茶」の絵は裏表紙に出てくるので最後はしっかり裏表紙も見せて終わること。
【6分】
【★★】 見えなくてもだいじょうぶ?
家族と買い物にきたカーラは、迷子になってしまいました。泣いているカーラに声をかけてくれたのは目が不自由なマチアスという男の人で、ふたりは一緒にカーラの両親をさがします。カーラの両親をさがしながら、目の不自由な人がどうやって生活しているのかカーラは知っていきます。交番に行き、おまわりさんにカーラの家へ連れて行ってもらったふたりは、カーラの家でお父さんとお母さんに、どうやってさがしたか話すのでした。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
盲導犬や点字のことが物語の中に無理なく出てくるので、単体での読み聞かせだけではなく、バリアフリー関係の話の導入にも使いやすい。
【8分】【バリアフリー】
【★★★】 みっつのねがいごと
貧乏なきこり夫婦は、助けた小鬼から三つの願い事がかなうと告げられる。夫婦はそれぞれ願い事を思い浮かべるのだが、きこりの「晩飯に鍋いっぱいのソーセージがほしい」という一言で、一つ目の願い事がかなってしまう。腹を立てたおかみさんが、ソーセージなんか夫の鼻にくっつけばいいと、口にしたので、二つ目の願い事もかなってしまった。三つ目の願い事で、ソーセージを鼻からはずすことができ、夫婦は夕食にありつくのだった。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
本がやや小さいので、聞き手の人数が多すぎると絵が見づらくなってしまいます。
【8分】
【★★】 むらの英雄 エチオピアのむかしばなし
粉をひいてもらうために町に行った12人の村の男たちは、村へ帰る途中、ちゃんと12人そろっているかどうか気になって、人数を数えてみた。ところが自分を数え忘れていたため、11人しかいなかった。12人の男たちは、いなくなった誰かは道に迷ってヒョウにやられてしまったに違いないと思い込み、嘆き悲しみながら村へ帰った。ところが村へ着き村長が男たちを数えてみると、ちゃんと12人いる。そこで、いなくなったやつがヒョウをやっつけて戻ってきた、ということになり、それ以来この村には強くて勇ましい英雄の話が伝えられるようになった。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
絵本にある程度の大きさもあり、絵もはっきりしているので遠目がきく。見開きで1枚の絵になっているところがあるので、そういうところは特にきっちり開いて見せたい。
【7分】
【★★】 メアリー・スミス
月曜日の朝、夜明け前に出かけたメアリー・スミスがしたこととは、ゴムのチューブに豆をこめ、ひとふきしては、豆を窓に命中させることだった。一体何のためにしているのかというと、窓に豆を当てる音で、みんなを起こしているのだった。そう、メアリー・スミスの仕事は、頼まれた時間に人々を起こしてまわる、めざまし屋だったのだ。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
巻末に、「ノッカー・アップ-めざまし屋」という解説がついているので、読んであげると、より理解が深まる。裏表紙にメアリー・スミスの写真もあり。
【6分】
【★★★】 やさいの花
野菜も野の草花と同じように花をつけます。アザミに似たゴボウの花、朝咲いて昼にはしぼむオクラの花、動物と同じようにオス(雄株)メス(雌株)のあるアスパラガスの花、花びらもみつもないホウレンソウの花。野菜の花は、子孫(実や種)を残すためにさまざまな形になりました。みんながよく知っている野菜のなかなか目にすることがない姿を、美しい写真で紹介した絵本です。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
写真の解説も読むとさらに長くなります。読む対象や季節に合わせて、興味のありそうなものを選んで見せてもよいでしょう。
【15分】
【★★】 よあけ
音もなく静まり返った夜の湖。岸辺の木の下には、おじいさんと孫が毛布で寝ている。月が照り、黒々とした山が湖面に映る。やがて夜明けが近づくと、かえるが水に飛び込んだり、鳥が鳴いたり、生きものたちが動き始める。おじいさんが孫を起こし、ふたりで身じたくを整える。ボートを押し出し湖へ漕ぎ出した時、日が昇り山の緑が湖面に映る。暗い画面が続くなか、最後の緑がとても鮮やか。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
静かな雰囲気を大切に、できるだけゆっくり読む。字が少ないので、読んでもすぐにめくらず、絵を見る時間をとって、余韻を大切に。
【3分】
【★★★】 ランドセルは海を越えて
長い戦争状態にあるアフガニスタンの小学生に、日本で使われなくなったランドセルが贈られてきました。ランドセルと文具をもらった子は、「学校が家にやって来たみたい」「嬉しくってジャンプしたんだ」と全身で喜びます。みんな勉強が大好きです。字が読める、書けるようになり、新しいことをたくさん知ることで、家族を病気から守りたい、まわりの人を助けたいと真剣に思っています。学校での勉強は、未来へつながる希望なのです。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
ランドセルと文具をもらい、満面の笑みを浮かべる子どもの姿を十二分に見てもらいましょう。勉強する喜びが伝わってきます。
【9分】
【★★】 りゆうがあります
ぼくには鼻をほじるクセがある。お母さんは「行儀が悪い」と怒るけど、これには理由があるんだ。鼻の奥にあるスイッチを押すと、頭からウキウキビームが出て、みんなを楽しい気持ちにできる。貧乏ゆすりだって、地下のモグラに今日の出来事を教えてあげてるんだし、廊下で走っちゃうのも、ダッシュ虫が頭に止まって体が勝手に動いちゃうからなんだ。ちゃんと理由があるんだよ。でも大人だって、ついやっちゃうことがあるでしょう?
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
表紙と裏表紙のウラにも、ついやってしまうクセのイラストがあります。
【5分】
【★★★】 ロバのシルベスターとまほうの小石
ロバのシルベスターの趣味は、変わった石を集めること。ある日、シルベスターはなんでも願いのかなう魔法の小石を見つけますが、目の前に腹ぺこのライオンが現れます。おもわず「ぼくは岩になりたい」と願ってしまい、シルベスターは本当に岩になってしまいます。季節はめぐり、もう元には戻れないとあきらめかけたシルベスターでしたが、偶然やってきた両親のおかげでロバの子に戻ることができました。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
長い絵本なので集中を切らさないようにしたい。また、主人公が元に戻る場面の絵と文が合っていないので、次頁の文を先に読むなどの工夫をするとよい。10分以上かかるので、時間に余裕があるときにじっくりどうぞ。
【15分】【初版1975年】
【★★★】 わすれられないおくりもの
みんなに頼りにされていた物知りのアナグマが、年をとって亡くなりました。森の動物たちは悲しみに沈み、アナグマの思い出を語り合います。モグラはハサミの使い方を、カエルはスケートを、キツネはネクタイの結び方を、ウサギは料理を教えてもらったことを思い出します。それは今、それぞれが得意としていることでした。アナグマはひとりひとりに、宝物となるような智恵や工夫を「おくりもの」として残してくれていたのでした。
★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★
静かなお話です。そうした雰囲気を味わえるような読み方を、心がけるとよいでしょう。
【8分】