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調査内容
名古屋凧という凧があると聞きました。その中に蛤(はまぐり)に入るぐらい小さい凧があると聞いたのですが、その凧の写真を見ることはできますか?
調査手順
名古屋凧ってなんだろう?蛤に入るぐらい小さい凧って、どれぐらいの大きさなのかな?
『凧大百科』に名古屋の凧というページがあり、名古屋の凧の種類などが書かれている。「名古屋の紙鳶(いか)」という資料から引用されているようだ。引用されている「名古屋の紙鳶」はないかと探してみると、『伊勢と名古屋』という資料の中に「名古屋の紙鳶」が入っていた!紙鳶は凧のことで、寛永年間(1624--43年)からある最も古い凧に「ベガ」という種類の凧があり、「蛤ベガ」は蛤の貝の中に入るほど小さく、極めて精巧に出来ているらしい。『凧大百科』には蛤ベガの写真もあった!でも、大きさはわからない。『名古屋古流凧』にも蛤に入った凧の写真を発見!名称は「蛤虻」で大きさは一寸六分、重さは0.3グラムとあった。一寸六分は約4.8センチだとわかった。
調査結果
蛤の中に入る凧はあった。「名古屋の紙鳶」には、戸崎さんという名人が、お客さんが来ると貝から凧を取り出し、火鉢の上へかざして、火気に煽られ揚がったと書かれている。『凧大百科』『名古屋古流凧』『ぼくたちは何を失おうとしているのか-ホンネの生物多様性-』という本の中に蛤の中に入った凧の写真を見ることができる。
名古屋古流凧は、寛永年間(1624--43年)からある凧で、大人の遊びとして発達し、季節関係なく揚げられていたようだ。蝉や虻、蜂、福助などの形があったようだ。ベガという種類は、名古屋紙鳶の祖先といわれている。『尾張名所図会』の「富士見原」には凧を揚げている人々が描かれており、虻の凧も確認できる。
今回の調査で使った資料
- 『凧大百科』比毛一朗/著 美術出版社 1997
- 『名古屋と伊勢』博文館 1902
- 『名古屋古流凧』佐藤昌明/著 佐藤昌明 1994
- 『ぼくたちは何を失おうとしているのか』関口威人/著 人間社 2010
- 『尾張名所図会 前編巻二』岡田啓/著 野口道直/著 1880
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- 調査団報告書No.67 「名古屋凧という凧があると聞きました。その中に蛤(はまぐり)に入るぐらい小さい凧があると聞いたのですが、その凧の写真を見ることはできますか?」 <PDF形式,469KB>(2018年6月作成)
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