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調査内容
そろそろ鍋物の季節ですね。
鍋にかかせない白菜の栽培は、名古屋から始まったと聞いたのですが?
調査手順
白菜だから、まず農業関係の本を見てみよう。調べてみると、今ふつうに白菜とよばれている結球白菜の原産地は中国。明治8(1875)年に東京の博覧会に出品された山東白菜の二株を、愛知県植物園が払いうけて栽培を始めたそうだ。野崎徳四郎の品種改良を経て、明治中期には尾張地方に栽培が広まり、生産量も増えたという。仙台でも早くから白菜の生産が試みられていたが、仙台に白菜の種子がもたらされたのは、明治28年であるとわかっているそうだ。
また、名古屋のことを調べるのだから、郷土資料も見てみよう。『新修名古屋市史』を開くと、野崎徳四郎は愛知郡荒子村大蟷螂(現 中川区大当郎)で採種場をいとなんでいたとわかる。
調査結果
愛知県植物園は西双葉町(現 東区白壁2丁目)にあり、品種改良をした野崎徳四郎は中川区の人なので、白菜の栽培は名古屋から始まったといってもいいのではないか。
野崎徳四郎とその採種場については、名古屋市の社会科の先生たちが書いた『すくんでいてもはじまらない』という本にくわしい説明があるので、興味のある方はぜひどうぞ。
今回の調査で使った資料
- 『新修名古屋市史 第6巻』新修名古屋市史編集委員会/編 名古屋市 2000年 p405
- 『すくんでいてもはじまらない』名古屋市社会科同好会/編著 KTC中央出版 2003年 pp135--151
- 『日本の野菜文化史事典』青葉高/編 八坂書房 2013年 pp177--181
- 『野菜の起源と分化』藤枝國光/著 九州大学出版会 1993年 pp108--112