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調査内容
名古屋市図書館のホームページのなごやカレンダーに、昭和29年10月3日に「東山動物園のカバ、重吉・福子の結婚式」と書いてあったけど、詳しく教えて。
調査手順
なごやカレンダーは、昭和29年『中部日本新聞』の記事を参考にしてます。ほかに、カバについて書かれた本を探してみると、『河馬の方舟』『日本カバ物語』『カバに会う』の3冊が見つかり、それぞれに「大須の繁華街を嫁入り行列が練り歩いたカバ夫婦、重吉・福子」について書いてありました。けっこう有名なことだったのですね。大須あたりについての本を探してみると、『大須レトロ』に写真がのっていました。
調査結果
嫁入り行列をした東山動物園のカバは、昭和27年7月雄カバの重吉がアフリカから、雌カバ福子が昭和29年7月にドイツのハーゲンベック動物園からやってきました。福子が来てすぐの10月に結婚。名古屋の嫁入りは派手で有名。名古屋商工祭の一環で大須商店街が企画したイベントとして、嫁入り行列が企画されました。トラック3台の荷台には、ダブルベッドや張り子の箪笥、鏡台や長持ちなどの嫁入り道具がつまれていて、広小路、栄、大須を練り歩いたとのこと。結婚式の案内状まで、関係者に届いたそうです。『河馬の方舟』や『大須レトロ』には道具を積んだトラックの写真があり、『中部日本新聞』の記事には、喜びで興奮し福子に飛びつく重吉の写真があります。また、「かばの嫁入り参加御芳名」と表書きのある記録が個人のお宅に残されているそうです。
この夫婦は、東山動物園の重吉・福子という名前のカバとしては2代目。初代は戦前に夫婦と子カバ1頭がいたが、戦争によりなくなっています。
また、3代目重吉と2代目福子も嫁入り行列と結婚式が、平成13年11月25日に行われています。このときは、当時の松原名古屋市長が仲人で、着ぐるみのカバが東山動物園内をパレードしました。
今回の調査で使った資料
- 『河馬の方舟』宮嶋康彦/著 朝日新聞社 1987年
- 『日本カバ物語』宮嶋康彦/著 情報センター出版局 1991年
- 『カバに会う:日本全国河馬めぐり』坪内稔典/著 岩波書店 2008年
- 『大須レトロ』名古屋タイムズ・アーカイブス委員会/編 樹林舎 2010年
- 『名古屋大須ものがたり』沢井鈴一/著 堀川文化探索隊 2010年
- 『大須観音』阿部泰郎/監修 大須観音宝生院 2012年
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- 調査団報告書No.17 「名古屋市図書館のホームページのなごやカレンダーに、昭和29年10月3日に「東山動物園のカバ、重吉・福子の結婚式」と書いてあったけど、詳しく教えて。」 <PDF形式,128KB>(2014年4月作成)
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