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調査内容
明治時代に、今の東区白壁に「愛知県植物園」があったそうです。どんな植物園だったのか知りたいです。
調査手順
明治時代の名古屋のことならまずは『名古屋市史』!と索引を引いてみましたが見つかりません。ならば県の施設だし県史でしょうか、と『愛知県史 通史編10 年表・索引』を引くと、『通史編6 近代1』のp.130とp.766に記述ありとのこと。見てみると、p.130には「愛知県植物園で試植する外国種小麦・実綿・砂糖、...」p.766には「愛知県植物園に養魚試験場を設け...」と。これって植物園というより、農業試験場?
調査結果
『愛知県園芸発達史』p.33に、「当県における園芸作物に関する試験研究機関の最初は明治8年(1875年)に設置された愛知県栽培所である。(中略)同園は同11年(1878)1月植物園と改称され...」とあります。また『愛知県薬業史』p.99には「この植物園の目的は、穀類、蔬菜、果樹などすべて有益と言われるものを試植し、民間の求めに応じようとするもので...」とあり、今私たちが想像するような植物園ではなく、農業試験場だったようです。
また『愛知県農業試験研究100年史』p.2には「明治11年(1878)1月、栽培所の名を廃し、植物園と改称した。これは、栽培所が名古屋裁判所に近く、両者の音読みが類似し紛らわしいのを避けるためであった。」と改称の理由が書かれていました。
今回の調査で使った資料
- 『愛知県史 通史編6』愛知県史編さん委員会/編集 愛知県 2017
- 『愛知県園芸発達史』愛知県園芸発達史編さん会/編 愛知県 1981
- 『愛知県薬業史』深谷義雄/著 名古屋薬業倶楽部 1965
- 『愛知県農業試験研究100年史』愛知県農業総合試験場/編集 愛知県農業総合試験場 1994