熱田図書館では、2023年10月28日(土曜日)に『熱田白鳥の歴史館』の上席技術指導官 谷澤恭子氏をお迎えして、「土曜の朝学-あつたを知るミニ講座」【森林編】「『熱田白鳥の歴史館』の資料から読み解く 日本の森林・林業の変遷」を行いました。
参加者は18名でした。
前回のミニ講座「産業編」でとりあげました白鳥貯木場に引き続き、今回は尾張藩の財政を支えた木材の産地としての木曾にスポットをあて、江戸期以降そこで培われてきた林業技術のご紹介をいただきました。
江戸時代の林業従事者たちの姿を活写した『木曽式伐木運材図会』に加え、昭和初期に撮影された貴重な映像フィルム等を交えて、わかりやすく解説していただきました。
欧米諸国と比べて傾斜のきつい日本の山林で、先人たちが工夫に工夫を重ねて編み出してきた当時の技の数々は、現在の日本林業の現場でも十分活用されているようです。
後半は日本の森林資源保全の歴史の変遷についてお話いただきました。数々のデータに基づき、江戸時代末期には荒廃しつつあった日本の森林が、明治時代以降の先人たちの努力によりみごとに復興し、現在の豊かな森林資源へと結びついていることをご教示いただきました。
ご講義終了後には質問も積極的に寄せられ、ご参加いただいた方々の森林・林業の歴史への関心の深さがうかがわれる充実した1時間となりました。