宮田先生のお話に聴き入る聴講者のみなさん

天白図書館では、2019年10月26日（土曜日）に、元公立小・中学校教員の宮田晴夫氏を講師にお招きし、講演会「宮沢賢治童話の世界」を開催しました。昨年の『銀河鉄道の夜』の解説に続く今回は、賢治童話全体の入門編にあたる内容のお話をしていただきました。
童話の形をとっているとはいえ、「必ずしも子供向きではない」とも称されるその独特の性格のためか、難解と感じられる部分も多い賢治の作品。ですが一度その面白さに心奪われると、ついつい何度でも読み返してみたくなる...。そんな不思議な魅力の秘密は何なのか。知名度抜群の代表作から「知る人ぞ知る」の隠れた名品まで、30編近くの作品に言及していただきながら、その謎についてくわしく解説していただきました。
広範囲な作品を取り上げつつ、ごくごく限られた時間でお話いただいたためか、ときには難しく感じられるところもありましたが、30人の聴講者が宮田先生の言葉に熱心に耳を傾けました。締めくくりは、賢治の印象的な「手紙　四」の先生ご自身による朗読。聴講者一同から大きな拍手が寄せられました。
天白図書館としましては、これからもみなさまの知的好奇心にお応えできますような講演・講座の企画につとめてまいります。