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読み聞かせ絵本のたね(低学年から)

  • 本のなまえや表紙をクリックすると、貸し出し中かどうかなどがわかります。
  • 書名、著者名、出版社、出版年、本のあらすじのほかに、絵本の特徴や読み聞かせする際に気を付けていることなど、図書館の専門職員である司書がコメントしています。
  • 読み聞かせにかかるおおよその時間を表示しています。聞き手の反応によって時間に幅がある場合は、「~」で表示しています。
  • 季節、昔話などお話に特徴があるものについては表記しています。
  • 同書名で大型絵本もある場合は「大型絵本」と表示しています。
  • 表紙の画像掲載に関する著作権の許諾については、出版社の許可をいただいております。

書名 あ行

あおくんときいろちゃん

『あおくんときいろちゃん』表紙画像

レオ・レオニ/作
藤田圭雄/訳
至光社
1989年

あおくんは青色、きいろちゃんは黄色です。ふたりはとても仲良しで、かくれんぼをしたり、一緒に帰ったりします。ある日、あおくんときいろちゃんは会えたのが嬉しくて、くっついているうちに、とうとう緑色になってしまいました。いっぱい遊んでお家に帰ると、パパとママは緑色をしているあおくん、きいろちゃんがわかりません。悲しくて泣いていると、涙が青い色と黄色に分かれ、元のふたりに戻ることができました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

青と黄が重なり、緑に変化する面白さがあります。あおくんもきいろちゃんも顔の表情はないですが、楽しい気持ち、悲しい気持ちが絵から表れています。

【4分】

うまかたやまんば

『うまかたやまんば』表紙画像

おざわとしお/再話
赤羽末吉/画
福音館書店
1988年

ひとりの馬方が魚を馬に積んで山道を歩いていると、山姥におそわれ魚も馬もばりばり食われてしまいます。必死で逃げる馬方は一軒家を見つけて隠れることにしますが、なんとそこは山姥の家でした。天井の梁に登ったところへ山姥が帰ってきます。火の神の振りをして山姥をだまし、馬方は山姥の甘酒やもちを食べてしまいます。からとの中で眠る山姥に熱湯をそそぎ入れ、とうとう山姥をやっつけたのでした。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

日本の昔話です。山姥の家に着いてから絵本を縦向きにして読むところが5場面あり、そしてまた横向きに戻るので注意が必要です。

【7分】【昔話】

おおかみと七ひきのこやぎ グリム童話

『おおかみと七ひきのこやぎ』表紙画像

フェリクス・ホフマン/え
せたていじ/やく
福音館書店
1967年

お母さんやぎが森に出かけると、やぎの家におおかみがやってきます。子やぎたちはいいつけを守っておおかみを家に入れないようにしますが、結局入られ、末の子やぎだけを残してみんな食べられてしまいます。お母さんやぎは末の子やぎから話を聞き、森で寝ているおおかみを見つけました。お母さんやぎは、おおかみのお腹から子やぎたちを助け出し、代わりに石をつめます。目を覚ましたおおかみは、お腹の石の重みで井戸に落ちて死んでしまいました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

背景の書き込んである部分と、白い部分の使い分けがうまく場面展開にいきています。躍動感のある挿絵です。大きめの横長の判型なので持ちにくいですが、しっかりと本を固定して読みましょう。

【7分】【昔話】

おおきなかぶ

『おおきなかぶ』表紙画像

A.トルストイ/再話
内田莉莎子/訳
佐藤忠良/画
福音館書店
1966年

おじいさんが、かぶを植えました。すると甘い、元気のよい、とてつもなく大きなかぶができました。おじいさんはかぶを抜こうとしますが、抜けません。そこでおじいさんは、おばあさんをよび、ふたりでかぶをひっぱりますが、抜けません。そこでおばあさんは、孫をよび、3人でひっぱりますが、やっぱり抜けません。犬、猫、ねずみが加わり、一緒に力を合わせてひっぱると、大きなかぶは、やっと抜けました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

子どもが親しみやすい、簡潔な文章で書かれています。「うんとこしょ どっこいしょ」の掛け声が心地よく、子どもたちも自然に声を合わせてきてくれるでしょう。

【4分】【昔話】【大型絵本あり 『おおきなかぶ』

おじさんのかさ

『おじさんのかさ』表紙画像

佐野洋子/作・絵
講談社
1992年

立派な傘がご自慢のおじさん。でも、おじさんはけっして傘を開きません。なぜって、傘がぬれるからです。ところがある日、子どもたちが「あめが ふったら ポンポロロン あめが ふったら ピッチャンチャン。」と歌っているのを聞いたおじさんは、とうとう傘を開いてしまいます。すると、傘に雨があたって楽しい音がしたので、おじさんは嬉しくなって雨の中を歩き回ります。そして、立派な傘が立派にぬれたのを見てうっとりしました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

おじさんが傘を開いてしまうところは丁寧に読み、間をとって絵を見せると効果的です。♪あめがふったらポンポロロン~はリズミカルに読みましょう。

【6分】【雨の季節】【大型絵本あり 『おじさんのかさ』

おだんごぱん ロシアの昔話

『おだんごぱん』表紙画像

せたていじ/やく
わきたかず/え
福音館書店
2008年(初版1966年)

おじいさんは、おばあさんにおだんごぱんを焼いてもらいました。焼きあがったおだんごぱんは、窓のところで冷やされていましたが、寂しくなり窓から転がって表に出て行きました。おだんごぱんは、野原でうさぎ、おおかみ、くまに会い、食べられそうになりますが、歌を聞かせて逃げ出します。しかし、最後に会ったきつねの言葉にだまされて、ぱくっと食べられてしまいました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

繰り返し出てくる文章によって話に引き込まれます。シンプルな線で描かれ遠目も程よくきき、温かみのある色合いが話の雰囲気に合っています。歌は節をつけてリズミカルに読むことができます。

【8分】【昔話】

おちゃのじかんにきたとら

『おちゃのじかんにきたとら』表紙画像

ジュディス・カー/作
晴海耕平/訳
童話館出版
2015年(初版1994年)

大きなとらがお茶の時間にソフィーの家にやってきました。お腹をすかせたとらは、サンドイッチやケーキを全部とティーポットのお茶を全部たいらげてしまいます。それでも腹ぺこのとらは、家にあった食べ物を全部、飲み物を全部口に入れると、お礼を言って帰っていきました。食べるものが何もなくなってしまったので、ソフィーとお母さんは帰ってきたお父さんと一緒にレストランでおいしい夕食を食べました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

とらが食べ物や飲み物を全てたいらげてしまう展開に、全部食べちゃって大丈夫かなというドキドキ感が出るように読んでみてください。

【7分】

おふろだいすき

『おふろだいすき』表紙画像

松岡享子/作
林明子/絵
福音館書店
1982年

ぼくはお風呂が大好き。あひるのおもちゃのプッカと一緒に入ります。ぼくが体を洗っていると、お風呂の底からかめが出てきました。それからペンギンがすべりっこをしたり、オットセイがしゃぼん玉をふくらませたり、ぼくがかばの体を洗ってあげたり。最後にくじらが出てきて、みんなで数を数えながらお湯に浸かります。50まで数えた時、お母さんがお風呂場にやってきました。すると動物たちはお湯に潜って隠れてしまいました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

よく知られている動物たちが出てくるので、子どもたちは親しみを持って聞いてくれますが、長めのお話です。お話を聞き慣れた子におすすめです。

【10分】

おまたせクッキー

『おまたせクッキー』表紙画像

パット・ハッチンス/さく
乾侑美子/やく
偕成社
1987年

お母さんがおやつにクッキーを焼きました。ビクトリアとサムがふたりで分けると6つずつです。そこへお隣のトムとハナが来て、一緒におやつを食べることになりました。クッキーはひとり3つずつです。その後もどんどんお客さんが増えて、とうとうひとり1つずつになってしまいました。そこへピンポーン!と誰かがやって来ます。それはおばあちゃんでした。たくさんのクッキーを焼いて持って来てくれたのです。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

数が数えられる子たちに読み聞かせをおすすめします。「次はどうなるのかな」とハラハラドキドキして面白いです。

【5分】

書名 か行

かいじゅうたちのいるところ

『かいじゅうたちのいるところ』表紙画像

モーリス・センダック/さく
じんぐうてるお/やく
冨山房
1987年

おおかみのぬいぐるみを着て大暴れしたマックスは、怒ったお母さんに夕飯抜きで寝室に放り込まれる。すると寝室が森や野原になり、波が打ち寄せ、マックスは船に乗りかいじゅうたちのいるところへ行く。マックスはかいじゅうたちの王様になり、かいじゅうおどりを踊った。優しい誰かさんのところへ帰りたくなったマックスは王様をやめ、また船に乗り込む。いつの間にか元の寝室に戻っていて、そこには温かな夕飯が置いてあった。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

見開き3ページにおよぶかいじゅうの踊りのシーンには文章がありませんが、絵を見る時間をたっぷりととってあげましょう。

【7分】

かちかちやま

『かちかちやま』表紙画像

おざわとしお/再話
赤羽末吉/画
福音館書店
1988年

爺様は悪さをする狸を捕まえました。ところが、爺様の留守中に、狸は婆様を殺してしまいます。婆様に化けた狸は、婆様で狸汁をこしらえ、だまして爺様に食べさせ山へ逃げていきました。爺様が悔しくて泣いていると、兎がそのかたき討ちを約束します。兎は狸をうまくだまして、火傷を負わせたり、そこに唐辛子を塗り込んだりしました。そのたびに狸は怒りますが、兎はうまくごまかし、とうとう狸を土の舟で川に沈めてしまいます。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

「かちかちいうのは なんのおとかな」に始まる兎と狸のやり取りは、リズミカルでとても印象的です。よく練習して、言葉の面白さを伝えてください。

【8分】【昔話】

キャベツくん

『キャベツくん』表紙画像

長新太/文・絵
文研出版
1980年

腹ぺこのブタヤマさんがキャベツくんを食べようとすると、キャベツくんは「ぼくをたべると、キャベツになるよ!」と言いました。空には、鼻がキャベツになったブタヤマさんが浮かんでいます。それを見たブタヤマさんは驚きました。それからヘビやタヌキやカエルなど他の動物がキャベツくんを食べたらどうなるのと、次々に尋ねました。そのたびに体の一部がキャベツになった動物が空に浮かび、ブタヤマさんはびっくりします。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

「こうなる!」と「ブキャ!」の繰り返しと、めくるたびに現れる動物の姿が笑いを誘います。大型絵本はページがめくりにくいので、ページ送りに注意してください。

【7分】【大型絵本あり 『キャベツくん』

きょだいなきょだいな

『きょだいなきょだいな』表紙画像

長谷川摂子/作
降矢なな/絵
福音館書店
1994年

広いのっぱらのどまん中に、きょだいなピアノが置いてあります。子どもが100人やってきて、ピアノの上でおにごっこを始めます。広いのっぱらにはほかにも、きょだいなせっけん、きょだいな電話、きょだいなトイレットペーパーなどがあって、100人の子どもたちがやってきては思い思いに遊びます。最後にきょだいな扇風機が子どもたちを飛ばしてしまいますが、みんな家族のところへ無事に帰っていきました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

ページいっぱいに巨大なものが描かれており、迫力があります。最後の絵は文章がありませんが、じっくり見せてあげましょう。

【5分】【大型絵本あり 『きょだいなきょだいな』

ぐりとぐら

『ぐりとぐら』表紙画像

中川李枝子/さく
大村百合子/え
福音館書店
1967年

のねずみのぐりとぐらは、森で大きなたまごを見つけました。家に持って帰ろうとしますが、たまごが大きすぎて運べません。ぐりとぐらは、その場にかまどを造り、家から持ってきた道具や材料を使って大好きな料理を始めました。カステラの焼けるいいにおいがしてくると、森中の動物たちが集まってきました。黄色くてふんわりとしたカステラができ、ぐりとぐらは動物たちと仲良く分けて食べました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

絵の背景に余計なものが描き込まれていないので、離れていても絵がよく見えます。ぐりとぐらの歌に節をつけてリズミカルに読むこともできます。

【8分】【大型絵本あり 『ぐりとぐら』

くわずにょうぼう

『くわずにょうぼう』表紙画像

稲田和子/再話
赤羽末吉/画
福音館書店
1977年

あるよくばりの男が、よく働いて飯を食わない女房がほしいと思っていると、そのとおりの娘がやって来た。ある日、蔵の米がごっそり減っているのに気づいた男が見張っていると、女房が大きな釜で米を炊き、頭にあいた大きな口で握り飯を食べ始めた。驚いて女房を追い出そうとすると、女房は鬼婆になり、男を桶に入れ奥山に連れていこうとする。逃げ出した男は鬼婆に追われるが、しょうぶとよもぎが鬼婆を退治し、男を守ってくれた。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

ぴたぴた、ぴつっ、など多くの印象的な擬音は丁寧に読んでください。子どもはこわがって聞くので、「おにばばしんだ」の言葉で安心させて終わるようにします。

【8分】【昔話】

こすずめのぼうけん

『こすずめのぼうけん』表紙画像

ルース・エインズワース/さく
石井桃子/やく
堀内誠一/え
福音館書店
1977年

一羽のこすずめにお母さんすずめが飛び方を教えました。飛べるようになったこすずめは遠くへ飛んでいきますが、しだいに疲れてきて鳥の巣で休むことにします。でもそれはカラスや山鳩、フクロウなどの巣で、自分たちと同じ鳴き声で鳴けるか聞かれます。そのたびにこすずめは「ちゅんちゅん」としか鳴けず、仲間じゃないからと巣に入れてもらえません。疲れて歩いていたこすずめをお母さんすずめが迎えに来て、無事巣に戻りました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

こすずめがいろいろな鳥の巣を巡りますが、繰り返しの多い文章なので聞いている側にもなじみやすく、読みやすいです。お話はストーリーテリングにも使えます。

【7分】【大型絵本あり 『こすずめのぼうけん』

ごちゃまぜカメレオン

『ごちゃまぜカメレオン』表紙画像

エリック・カール/さく
やぎたよしこ/やく
ほるぷ出版
1978年

カメレオンが動物園をのぞくと、美しい動物たちがたくさん見える。ちっぽけな自分をつまらなく思ったカメレオンが、ホッキョクグマのようになりたいと願ったとたん、体が大きく白くなる。フラミンゴのようにと願うと、さらに翼と長い脚が生え、キリンのようにと願えば、今度は首が長くのびる。
10もの動物がごちゃまぜになったカメレオンは、ハエをうまく捕まえられない。いつもの姿になれたらと思ったとたん、元の姿に戻る。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

冒頭は神妙に聞いていますが、ごちゃまぜになればなるほど、子どもは歓声をあげ、大喜びします。元の姿に戻ってやれやれと満足して終わります。

【8分】

コッケモーモー!

『コッケモーモー!』表紙画像

ジュリエット・ダラス=コンテ/文
アリソン・バートレット/絵
たなかあきこ/訳
徳間書店
2001年

ある朝、おんどりは鳴き方を忘れてしまいました。「コッケモーモー!」「コッケガーガー!」と鳴いてしまうのです。「ちゃんと鳴いてよね」とめんどりたちに責められて、おんどりは悲しくなりました。その晩、めんどり小屋をねらっているきつねに気づいたおんどりがメチャクチャに鳴くと、きつねは逃げていきました。みんなにほめられたおんどりは嬉しくて、「コッケコッコー!」と鳴くことを思い出しました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

小さな子も大きな子も、一緒に聞いている大人たちもきっと笑ってしまいます。声を出して読むことによって、より一層楽しさが増す絵本です。

【5分】

このかみなあに? トイレットペーパーのはなし

『このかみなあに? トイレットペーパーのはなし』表紙画像

谷内つねお/さく
福音館書店
2020年

トイレットペーパーはのびる。のばすとものすごく長い。やわらかいので、いろんなものを置くとおもしろい跡がつく。たくさん重ねると、卵を落としても割れない。薄いから影がうつる。よじると強くなって、石もつるせる。でも水がかかると弱くなってちぎれてしまう。ペットボトル1本分の色水を吸いあげることもできる。おしりのためにできた紙、最後は水に流してさようなら。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

トイレットペーパーでいろいろな実験をする写真絵本です。身近な素材の意外な性質に驚き、実際に試してみたくなるかもしれません。巻末の「トイレットペーパーのひみつ」で知識を深めることもできます。

【3分】

こぶじいさま

『こぶじいさま』表紙画像

松居直/再話
赤羽末吉/画
福音館書店
1980年

額にこぶのあるじいさまが山のお堂に泊まっていると、鬼が大勢やってきて、お堂を囲んで歌いながら踊り始める。面白くなったじいさまは、鬼の後から一緒に歌い踊り出す。じいさまの歌や踊りを喜んだ鬼は「明日の晩も来い。それまでこぶをあずかる」とこぶを取ってしまう。それを聞いた隣のこぶじいさまも、こぶを取ってもらおうと山へ行くが、うまく歌い踊れず鬼を怒らせる。昨晩のこぶを額につけられ、こぶが二つになってしまう。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

鬼の登場はこわいが、歌い踊る様子はユーモラスです。挿入歌は無理にメロディをつけなくても、明瞭に発音して言葉のリズムと響きを楽しんでください。

【7分】【昔話】

これはのみのぴこ

『これはのみのぴこ』表紙画像

谷川俊太郎/作
和田誠/絵
サンリード
1979年

表紙の絵では黒い点を指さしています。「これはのみのぴこ」。ぴこの次のページには猫がいます。「これはのみのぴこのすんでいるねこのごえもん」。その次のページには「のみのぴこのすんでいるねこのごえもんのしっぽふんずけたあきらくん」の登場です。次々に人物が登場して関係が明かされます。文章はどんどん長くなります。猫のしゃるるが登場し、背中にすんでいるのは「のみのぷち」でおしまい。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

文章と絵の調和がよく、ユーモラスな場面が楽しい。どんどん長くなる文章を一息で読むのは大変だが、どこまで読めるかチャレンジするのも読み手の楽しみ。繰り返しを覚えてくると、聞き手も一緒に唱え出すこともある。

【4分】

書名 さ行

サイモンは、ねこである。

『サイモンは、ねこである。』表紙画像

ガリア・バーンスタイン/作
 なかがわちひろ/訳
あすなろ書房
2017年

ねこのサイモンが「ぼくたち、にてますね」と言うと、ライオン、トラ、チーターたちは大笑い。ライオンはたてがみを、トラは美しい模様を自慢し、似ていないと主張します。しょんぼりしたサイモンを見て、みんなお互いを見比べてみました。とがった爪、暗闇でもよく見える目。「ぼくももってます、ちっちゃいですけど!」と言うサイモンを見て、 ライオンたちも納得。みんなねこの仲間だとわかり、なかよく遊びました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

動物たちの特徴がていねいに描かれていて、表情も豊か。お互い似ているところを確認する場面では、絵をじっくり見せて。奥付のある最後のページにも絵が描かれているので飛ばさないよう注意したい。

【5分】

三びきのこぶた イギリスの昔話

『三びきのこぶた』表紙画像

瀬田貞二/訳
山田三郎/画
福音館書店
1967年

三匹のこぶたが家を建てました。一匹はわらで、もう一匹は木の枝で建てたのですが、おおかみに吹き飛ばされ食べられてしまいます。最後のこぶたはレンガで建てたので、おおかみでも吹き飛ばせません。おおかみは何とかしてこぶたを外に出そうと、いいカブ畑やリンゴの木の在り処を教えますが、こぶたはだまされません。怒ったおおかみは煙突からレンガの家に入ろうとしますが、大なべの湯の中に落ちて逆に食べられてしまいました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

最初の二匹のこぶたがおおかみに食べられてしまうところ、こぶたがおおかみを出し抜く展開や、おおかみを食べてしまうところは意外と知られていません。

【9分】【昔話】【大型絵本あり『三びきのこぶた イギリスの昔話』

三びきのやぎのがらがらどん ノルウェーの昔話

『三びきのやぎのがらがらどん』表紙画像

マーシャ・ブラウン/え
せたていじ/やく
福音館書店
1965年

大きさの違う三匹のやぎがいました。名前はみんな「がらがらどん」。山の草場に向かう途中、橋の下に住む恐ろしいトロルと出会いました。初めにやってきた小さいやぎのがらがらどんは、次に自分より大きいやぎがやってくるからと言って、橋を渡っていきました。二番目のがらがらどんも同じように言って橋を渡りきりました。三番目の大きいやぎのがらがらどんは、トロルとたたかい、立派なつのとひづめでトロルをやっつけました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

橋を渡っていく音の違いと、やぎの声の大きさや調子がだんだん力強くなっていくところを意識して読みましょう。

【8分】【昔話】【大型絵本あり『三びきのやぎのがらがらどん ノルウェーの昔話』

しんせつなともだち

『しんせつなともだち』表紙画像

方軼羣/作
君島久子/訳
村山知義/画
福音館書店
1987年

雪の日に食べ物をさがしに行ったこうさぎは、外でかぶをふたつ見つけました。ひとつは自分で食べましたが、もうひとつはろばにあげることにしました。でもろばは家にいなかったので、かぶをそっと置いて帰ってきます。一方食べ物をさがしに行っていたろばは、さつまいもを見つけて帰ってきますが、家にかぶが置いてあります。そこでろばもかぶを友だちにあげに行きました。こうして巡り巡って、かぶがこうさぎのところに戻ってきます。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

余計な書き込みがない分、絵は遠くからも見やすく、繰り返し言うセリフが多いので耳にもなじみやすいです。

【4分】【冬】

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すてきな三にんぐみ

『すてきな三にんぐみ』表紙画像

トミー・アンゲラー/さく
いまえよしとも/やく
偕成社
1977年

黒マントに黒い帽子の三人ぐみは、こわーい泥棒で、馬車をおそっては宝を奪い、隠れ家に貯め込んでいた。ある夜のこと、おそった馬車から連れてきたみなし子に「これ、どうするの?」と聞かれ、考え込んだ。そして三人ぐみは、寂しい捨て子やみなし子をいっぱい集め、一緒に暮らせるお城を買った。子どもたちは大きくなると城の近くに村をつくり、すてきな三人ぐみを忘れないために、三人にそっくりの塔を建てた。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

前半は不気味な印象が強いが、最後まで読めばハッピーエンドとなります。基本的には淡々と読みます。後半を少し明るめに読んでもいいでしょう。

【8分】【大型絵本あり 『すてきな三にんぐみ』

せんたくかあちゃん

『せんたくかあちゃん』表紙画像

さとうわきこ/さく・え
福音館書店
1982年

洗濯の大好きなかあちゃんは、家中の洗い物、子どもや犬、猫などをまとめて洗って干していた。そこに雷様が落ちてきたので、たらいに放り込んで洗濯すると、雷様の目鼻が消えてしまう。そこで子どもたちがクレヨンでいい男の顔を描いてあげると、雷様は喜んで空に帰って行った。次の日、洗濯していい男にしてほしいという薄汚れた雷様がいっぱいふってくる。洗濯かあちゃんは「よしきた。まかしときい」と、張り切るのだった。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

洗濯物を干しているシーンや雷様がいっぱい落ちてくるシーンはきちんと見せましょう。かあちゃんのセリフは小気味よく堂々と読みましょう。

【7分】【夏】【大型絵本あり 『せんたくかあちゃん』

そらまめくんのベッド

『そらまめくんのベッド』表紙画像

なかやみわ/さく・え
福音館書店
1999年

そらまめくんの宝物は、ふわふわで柔らかいベッド。友だちのえだまめくんやピーナッツくんらに頼まれても、ベッドを使わせてあげません。ところがある日、そらまめくんのベッドがなくなりました。みんなは自分のベッドを貸そうとしますが、サイズが合いません。何日もさがしていると、うずらが自分のベッドでたまごを温めているのを見つけました。そらまめくんは、ひなになるまで貸すことにしました。ベッドが戻るとそらまめくんは、みんなを自分のベッドに招待しました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

グリーンを基調とした温かい絵に親しみが持てます。大きな文字で表現されている言葉は、ゆっくり、はっきり読むことでメリハリがつきます。

【8分】【春】【大型絵本あり 『そらまめくんのベッド』

書名 た行

だいくとおにろく

『だいくとおにろく』表紙画像

松居直/再話
赤羽末吉/画
福音館書店
1967年

大工が流れの速い川に橋を架けようと、様子を見ていました。すると、川の中から大きな鬼が現れて大工の目玉と引き換えに橋を架けてやると言いました。あっという間に橋が完成し、鬼は目玉をよこせと迫ります。大工が待ってくれと言うと、鬼は自分の名前を当てたら許してやると言いました。大工が山の中を逃げていると、鬼の名前が入った子守唄が聞こえたので、鬼の名前を当てることができ、鬼は消えていなくなってしまいました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

絵に力があるので、声色を変えず素朴な感じで読んでも、鬼の迫力は伝わります。

【6分】【昔話】

ちゃんとたべなさい

『ちゃんとたべなさい』表紙画像

ケス・グレイ/文
ニック・シャラット/絵
よしがみきょうた/訳
小峰書店
2002年

デイジーは豆が大嫌い。ごはんの時間、ママは「ちゃんと食べなさい」と言い聞かせます。「おまめを食べたら○○してあげる」という提案が、だんだんとエスカレートしても「おまめ、だいきらい」と食べようとしないデイジー。逆に、デイジーは「ママが芽キャベツを食べたら、おまめを食べてあげる」と提案。実は、ママは芽キャベツが大嫌いなのでした。最後は、ふたりとも大好きなアイスクリームを食べておしまい。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

はっきりした絵ですが、絵が細かいページもあるので、間を十分にとって絵を見せてあげましょう。最後の見返しの図柄に「おっ!おまめだ!」と気づく子もいます。繰り返される「おまめ、だいきらい!」のセリフに、子どもたちは声を合わせてくれます。

【7分】

ちょろりんのすてきなセーター

『ちょろりんのすてきなセーター』表紙画像

降矢なな/さく・え
福音館書店
1993年

ちょろりんは寒がりやのとかげの子。大通りの洋品店で、春の原っぱ色のセーターを見つけ、ほしくてたまらないが買ってもらえない。あきらめきれず、じいちゃんに相談に行き、ランプ作りの仕事を一晩手伝わせてもらうことになった。もらったお駄賃と小遣いを合わせて、勇んで買いに行くちょろりんだが、「セーターはへび用だよ」と言われ泣き出してしまう。店のおばさんはちょろりんのため、特別にセーターを編みなおしてくれた。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

ちょろりんが初めてセーターを着る場面は、絵に対してセリフが一言しかありません。しかし、一番インパクトのある場面なので絵をしっかり見せるようにしましょう。文章が書かれていない最後のページまでしっかり見せるようにしましょう。

【10分】【秋・冬】

ティッチ

『ティッチ』表紙画像

パット・ハッチンス/さく・え
いしいももこ/訳
福音館書店
1975年

三人きょうだいの末っ子ティッチは、小さな男の子。兄さんや姉さんは大きな自転車を持っていたが、ティッチが持っていたのは小さな三輪車。兄さんたちの凧は家や木よりも高くあがるが、ティッチのかざぐるまは手の中で回るだけ。兄さんは大きなシャベルを、姉さんは大きな植木鉢を持っていたが、ティッチが持っていたのはとても小さな種。でもそれは芽を出し、ぐんぐんのびて、兄さんたちの背よりも大きく育つ。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

ティッチの持ちものは、だんだん小さくなります。小さな種がぐんぐん大きくなる誇らしさを伝えましょう。どんでん返しの心理はあまり幼いとわかりにくいでしょう。

【4分】

てぶくろ ウクライナ民話

『てぶくろ』表紙画像

エウゲーニー・M.ラチョフ/え
うちだりさこ/やく
福音館書店
1965年

おじいさんが森で落とした片方の手袋に、ねずみ、かえる、うさぎが次々に入り込んで、手袋の中で住み始めます。さらに、きつね、おおかみ、いのししと、入ってくる動物はだんだん大きくなり、最後は熊まで入ります。手袋がはちきれそうになった時、おじいさんが犬と一緒に戻ってきました。犬に吠えたてられて、手袋の中の動物たちはいっせいに手袋から逃げ出しました。そして、おじいさんは手袋を拾いました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

絵本にある程度の大きさもあり、見開きで1場面なので絵をしっかり見せると読みやすいです。手袋がだんだん家らしくなっていくのが楽しいです。

【4分】【昔話・冬】【大型絵本あり 『てぶくろ ウクライナ民話』

どうぞのいす

『どうぞのいす』表紙画像

香山美子/作
柿本幸造/絵
ひさかたチャイルド
1981年

うさぎが小さな椅子を作り、「どうぞのいす」と立札をそえて木の下に置きました。ろばがやって来て、どんぐりの籠を椅子に置き、昼寝を始めます。そこへ熊が来て「どうぞならば」とどんぐりをたいらげ、「あとのひとにおきのどく」と蜂蜜を置いていきました。次々に訪れる動物たちは籠の中身を食べては別のものを置いていき、最後にりすが栗を入れていきます。目を覚ましたろばは「どんぐりって、くりのあかちゃんだったかしら」と言うのでした。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

「あとのひとにおきのどく」は、「たべてしまいました」から少し間を置くと、地の文章ではないことがはっきりして、動物たちのセリフらしく聞こえます。

【5分】【秋】【大型絵本あり 『どうぞのいす』

トマトさん

『トマトさん』表紙画像

田中清代/さく
福音館書店
2006年

夏の昼下がり、まっ赤に熟れたトマトさんがトマトの木から落ちました。太陽がぎらりと照りつけて暑くてたまらないけれど、からだが重くてどうすることもできません。ミニトマトたちやとかげたちのように小川に飛び込んで泳ぎたくて、トマトさんからあまいにおいの涙がこぼれました。「そんならみんなでころがそう」と虫たちやとかげたちがやってきて、小川へ転がしてもらったトマトさんはやっと涼むことができました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

ひときわ大きなトマトさんはいかにも熟していて重そうです。トマトさんの表情が豊かで、小川にとびこんだ瞬間はとてもうれしそう。その喜びは水遊びの気持ちよさを知る子どもたちの共感を誘います。

【3分】【夏】

どろんこハリー

『どろんこハリー』表紙画像

ジーン・ジオン/ぶん
マーガレット・ブロイ・グレアム/え
わたなべしげお/やく
福音館書店
1964年

黒いぶちで白い犬のハリーは、お風呂が大嫌い。ある日、お風呂にお湯を入れる音がしたので、ハリーはブラシを庭に埋めて外に逃げ出しました。いろんなところで遊んで真っ黒になったハリーは、白いぶちで黒い犬になってしまい、家族にも気づいてもらえません。がっかりしたハリーは埋めたブラシをくわえてお風呂に駆け込みました。洗ってもらいきれいになると、ハリーだと家族にもわかってもらい、とても素敵な気持ちになりました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

絵も話の展開もシンプルでわかりやすいです。テンポよく読みます。様子がわかりにくいと感じたら、指でさし示しながら読むといいでしょう。文章が始まるまでの絵が肝心なので、よく見せます。

【6分】

書名 な行・は行

なにをたべたかわかる?

『なにをたべたかわかる?』表紙画像

長新太/作
絵本館
2003年

ねこが釣りをしていると、大きな魚が釣れました。釣った魚をかかえたねこの後ろから、次々に動物がやってきますが、みんな魚に食べられてしまいます。そのたびに魚は大きくなり、しまいにねこは魚に押しつぶされてしまいます。魚がどうしてこんなに大きくなったのか、何が何だかさっぱりわからないねこですが、突然「いただきまーす」と言って魚を全部食べてしまいました。さて、ねこは全部で何を食べたことになるのでしょう?


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

奇想天外な内容に一緒に驚きながら読むとよいでしょう。最後の問いかけにはいろいろと反応が返ってきますが、うまく受け止めてあげるように心がけましょう。

【5分】

ねえ、どれがいい?

『ねえ、どれがいい?』表紙画像

ジョン・バーニンガム/さく
まつかわまゆみ/やく
評論社
2010年(初版1983年)

「もしもだよ、君んちのまわりが変わるとしたら、洪水と、大雪と、ジャングルと、ねえ、どれがいい?」に始まり、「食べなきゃならないとしたら? くものシチュー、かたつむりのだんご、虫のおかゆ、へびのジュース」と、どのページでも究極の選択を迫られます。「お城で食事、気球で朝ごはん、川でおやつ」なんていう素敵な選択もあります。読み手と聞き手がコミュニケーションを取りながら読む、参加型の絵本です。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

聞き手との受け答えによって所要時間はかなり変わります。盛り上がりすぎて収拾がつかなくなることがあるので注意が必要です。選択肢を読んだ後で順に手を挙げてもらうのも、ひとつの方法です。

【4分~】

はちうえはぼくにまかせて

『はちうえはぼくにまかせて』表紙画像

ジーン・ジオン/さく
マーガレット・ブロイ・グレアム/え
森比左志/やく
ペンギン社
1981年

トミーの家はお父さんが仕事で忙しいので、夏休みはどこにも出かけません。トミーは夏休みに、近所の人から鉢植えをあずかるというアルバイトを始めました。家中が鉢植えだらけになり、家の中はまるでジャングルのよう。お父さんは不機嫌になりますが、トミーは本で調べたりして、きちんと世話を続けます。夏休みが終わるころ、近所の人は元気な鉢植えを受け取って大喜び。鉢植えがすっかりなくなり、トミーの一家も夏休みの旅行へ出かけます。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

標題紙の部分から物語が始まっていますので、聞き手がきちんと絵を見られるように意識しながらページをめくってください。

【7分】【夏】

はらぺこあおむし

『はらぺこあおむし』表紙画像

エリック・カール/さく
もりひさし/やく
偕成社
1989年(初版1976年)

葉っぱの上にあった小さなたまごから、ちっぽけなあおむしがうまれました。あおむしはおなかがぺっこぺこ。月曜日はりんごをひとつ、火曜日はなしをふたつ、水曜日はすももをみっつ食べました。まだ続き、土曜日はチョコレートケーキ、アイスクリーム、ピクルスなど、あおむしはどんどん食べます。おなかをこわして泣いたこともあります。大きくなってさなぎになり、やがてきれいなちょうちょになります。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

シンプルなストーリーでわかりやすく、鮮やかな色彩が美しい。ページの大きさが異なっていたり、穴があいていたりするしかけ絵本です。月曜日のりんごの場面は、前のページにつられて開いてしまいやすいので、気をつけてください。

【4分】【大型絵本あり 『はらぺこあおむし』

ふしぎなナイフ

『ふしぎなナイフ』表紙画像

中村牧江/さく
林健造/さく
福田隆義/え
福音館書店
1997年

見開きいっぱいに一本のナイフが描かれています。一見普通のナイフに見えますが、ページをめくっていくと、硬いはずのナイフがありえない形にどんどん変わっていきます。「ふしぎなナイフがまがる」という文には、ぐにゃっと曲がったナイフの絵が、「とける」では、まるで氷でできたナイフのように、「ほどける」では毛糸のようにナイフがほどけている絵が描かれています。リアルな絵だからこそ楽しめる絵本です。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

たっぷりと間を取って読んでください。プログラムの最初や、長い絵本と組み合わせて息抜き的に使うこともできます。

【3分】

書名 ま行・や行・わ行

まあちゃんのながいかみ

『まあちゃんのながいかみ』表紙画像

たかどのほうこ/さく
福音館書店
1995年

短いおかっぱのまあちゃんは、長い髪が自慢の友だちのみいちゃんとはあちゃんに、自分はもっとずっと伸ばすという。橋の上からおさげをたらして魚が釣れるくらい、左右のおさげを木に結べば家中の洗濯物を干せるぐらい長くする。シャンプーすれば雲までとどくソフトクリームのよう、パーマにすれば森になって、小鳥やりすや虫たちが集まる。まあちゃんの話に、みいちゃんもはあちゃんも、とってもいいとうっとりする。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

まあちゃんの空想がおおらかで楽しく、男の子にも喜ばれます。縦開きになる画面があるので、めくるときに注意し、もたつかないようにしましょう。

【6分】

まどからおくりもの

『まどからおくりもの』表紙画像

五味太郎/作・絵
偕成社
1983年

あわてもののサンタさんは、窓から見える顔や模様や形を見て、誰の家かを早とちりしてはプレゼントを置いていく。ネコだと思ったのはぶた、しまうまだと思ったのは3羽の鳥。留守だからプレゼントは不要と思ったのは窓より大きな熊のお腹。こわそうなワニだと思ったのはたくさんのウサギ、双子の兄弟だと思ったら片方は風船。次の日プレゼントを見つけたみんなは、びっくりしながらも大喜び。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

しかけの穴から見えるものとページをめくったときの違いが楽しい絵本です。字が少ないので、子どもが想像するのを待ってからゆっくりめくるとよいでしょう。

【5分】【クリスマス】【大型絵本あり 『まどからおくりもの』

まるまるまるのほん

『まるまるまるのほん』表紙画像

エルヴェ・テュレ/さく
たにかわしゅんたろう/やく
ポプラ社
2010年

最初のページには黄色いまるが一つ。そのまるを押してページをめくると、まるの数が増える。まるを指でそうっとこすると、まるの色が変わる。文章の指示に従って、本を揺すったり、傾けたり、クリックしたり、吹き飛ばしたり、叩いたりすると、思いがけない様々な変化を楽しめる。最後は始めと同じ黄色いまる一つに戻るので、くり返し読むことができる。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

参加型の絵本だがやり方は自由。読み手が文の指示どおりにやるのを、聞き手に真似てもらっても、何人かに前に出てやってもらってもよい。やり方で所要時間は変わることに留意する。

【4分から】

めっきらもっきらどおんどん

『めっきらもっきらどおんどん』表紙画像

長谷川摂子/作
ふりやなな/画
福音館書店
1990年

かんたは遊び相手をさがして神社へやってきた。でも誰もいないので、しゃくにさわってめちゃくちゃの歌をうたった。すると穴から奇妙な声がしてきたので、のぞいてみると吸い込まれてしまう。落ちたところは夜の山。そこへ「あそぼう」とへんてこりんな3人組がやってきた。かんたは3人組と珍しい遊びをして楽しく過ごすが、お母さんが恋しくなって「おかあさーん」と叫んだとたん、もといた神社に戻っていた。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

かんたのうたう歌が楽しいです。節をつけてリズミカルに読むと子どもたちも喜びます。途中で絵本を縦に向けて読む場面があります。

【8分】【夏】【大型絵本あり 『めっきらもっきらどおんどん』

もっとおおきなたいほうを

『もっとおおきなたいほうを』表紙画像

二見正直/作
福音館書店
2009年

立派な大砲を持っている王様は、大砲を打ちたくてたまりません。ある日、川で大切な魚を捕まえているキツネに怒った王様は、大砲を打ちました。一度は逃げたキツネですが、もっと大きな大砲を持ってきます。王様とキツネは、大砲の大きさや数や形を競い合いました。ところが、キツネの大砲が枯葉であることが分かると、王様は残された沢山の大砲を半分に割ってお風呂にして、もう大砲を打ちたいとは思わなくなりました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

大砲が大きくなっていく様子に子どもたちは喜びます。絵が細かく、大人数の時は見えにくいかもしれません。大砲の弾の放物線を持ち手で隠してしまわないようにしましょう。

【7分】

ももたろう

『ももたろう』表紙画像

松居直/文
赤羽末吉/画
福音館書店
1965年

おばあさんが川で拾ってきた桃から生まれた、ももたろう。力持ちで賢い子に育ったももたろうは、ある日からすの歌で鬼の悪さを知ります。心配するおじいさんとおばあさんを説得し、日本一のきびだんごをどっさり持って、鬼退治に出かけました。おともに犬と猿と雉を連れて、おにがしまへ。鬼どもを片っぱしからやっつけてうちに帰ると、鬼に返してもらったお姫様をお嫁にもらって、幸せに暮らしました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

登場人物は多いのですが、声色を使わず自然に読んでください。ももたろうと犬、猿、雉が出会うときの調子のよいやりとりが、三度繰り返されますが、子どもたちはこの繰り返しを楽しんで聞きます。

【10分】【大型絵本あり 『ももたろう』

やさいのおなか

『やさいのおなか』表紙画像

きうちかつ/さく・え
福音館書店
1997年

ねぎ、トマト、きゃべつ、きゅうり、身近にあるいろいろな野菜を切ってみると、その断面はどんな形になっているでしょう。白黒の断面図を見せて、これなあに?と問いかける絵本です。子どもたちとの対話を楽しみながら読みます。白黒の断面図の次のページには、カラーの断面図と、切っていないまるごとの野菜と切った野菜の絵がついています。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

白黒の断面図は案外わかりにくいので、低学年で答えられないときは、カラーの断面図のページを見せるとヒントになります。子どもとの受け答え次第で所要時間はかなり変わります。姉妹編に『やさいのせなか』もあります。

【3分~】

よかったねネッドくん

『よかったねネッドくん』表紙画像

レミー・シャーリップ/さく
やぎたよしこ/訳
偕成社
1997年

ある日ネッドくんに手紙がきた。「びっくりパーティーにいらっしゃい。」よかったね。でも大変!パーティーは遠いフロリダでやるんだって。でもよかった!友だちが飛行機を貸してくれて。でも大変!飛行機が途中で爆発。でもよかった!飛行機にパラシュートがあって。...と、ネッドくんに「大変!」なことと「よかった!」ことが交互に起こりハラハラドキドキ。最後はびっくりパーティーの会場にたどり着いて一件落着。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

「でも、大変!」の場面でパッとページをめくり、少し早いテンポで読み、「よかった!」の場面では少しゆっくりめに読むとよいでしょう。

【5分】【誕生日】【大型絵本あり 『よかったねネッドくん』

わゴムはどのくらいのびるかしら?

『わゴムはどのくらいのびるかしら?』表紙画像

マイク・サーラー/ぶん
ジェリー・ジョイナー/え
きしだえりこ/やく
ほるぷ出版
2000年

ぼうやは、わゴムがどのくらいのびるのか、ためしてみることにしました。そこで、わゴムのはしをベッドのわくにひっかけて、部屋を出て、自転車に乗り、バスに乗って、どんどん遠くまで進んで行きます。さらに、飛行機に乗り、船に乗り、外国へたどり着き、ロケットに乗り、なんと月にまで到達します。ぼうやが月で歩き出そうとしたとたん、わゴムが切れてボーンとはねて、ベッドに戻ってきました。


★絵本の特徴や読み聞かせのポイント★

わゴムがどんどんのびる様子をユーモラスな絵で描いています。文章は少ないですが、子どもたちは大騒ぎ。一緒に楽しみながら読んでみてください。

【5分】【大型絵本あり 『わゴムはどのくらいのびるかしら?』