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調査内容
鶴舞公園にあった動物園の平面図に「龍」の文字があるけど、もしかして 動物園に龍がいたなんてことないよね?
調査手順
過去の報告書に調査№44「鶴舞公園にトラがいたって本当?」というのがあった。大正7年から昭和12年まで、図書館の隣に動物園があったんだ。
「龍」の文字は昭和3年の動物園平面図にあるけど、正直、「瀧」の字のようにも見える。動物園要覧の収容動物の中に「龍」はいなし、「瀧」があったとも書かれていない。でも、よくよく動物園要覧を調べたら、昭和2年の卯年に干支にちなんだ「兎に関する趣味の展覧会」が行われていることがわかった。そうすると、昭和3年の辰年に龍にちなんだ催しが行われたとしてもおかしくはない。
昭和3年か、今から90年前だな。もしかしたら90代の地元の人なら何か覚えているかも。ちょうど名古屋市動物園100周年だし、調査団初の公開調査として広く情報提供を呼びかけてみよう!
公開調査で合計41件の情報提供があった。市政資料館からは「瀧」らしいものが写った開園記念絵葉書を所蔵しているとの情報提供があり、実際に「瀧」があったという目撃証言も複数あった。写真や証言から昭和3年動物園平面図の「龍」の文字の場所に「瀧」があったことは間違いないだろう。「龍門の瀧」のある徳川園や東山動植物園へも現地調査へ行ったが、東山動植物園には昭和13年に造られた3体の恐竜像があるほか、十二支の動物を刻んだ大噴水が昭和12年の開園当初からあったことがわかった。しかも、正門から入ってすぐに十二支の龍と虎がお出迎えしてくれる配置になっていたのには驚いた。さらに東山動植物園から鶴舞公園時代の貴重なアルバムを借用して、デジタル化することになり、アルバムの写真を拡大してみると、あれ?「恐龍」って書いてある?
調査結果
昭和10年5月4日から26日まで開催された第4回動物祭では「恐龍」のパノラマが展示され、「恐龍の化石の實物が標本室に陳列してあります」と書かれた案内表示があったことが確認できました。動物園に龍がいたと言えるかもしれません。
今回の調査で使った資料
- 『名古屋市立鶴舞公園附属動物園要覧 昭和3年』名古屋市鶴舞公園附属動物園 1928年
- 『名古屋市鶴舞公園附属動物園開園記念絵葉書』 (市政資料館所蔵)
- 鶴舞公園時代の「昭和9年」アルバム (東山動植物園所蔵)
- 『東山動植物園要覧(『近代都市の衛生環境[名古屋編]37』)』近現代資料刊行会 2015年
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- 調査団報告書「鶴舞公園に龍がいた?!」編 「鶴舞公園にあった動物園の平面図に「龍」の文字があるけど、もしかして動物園に龍がいたなんてことないよね?」 <PDF形式,185KB>(2018年10月作成)
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