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調査内容
名古屋帯は名古屋と何か関係があるのでしょうか。
調査手順
名古屋帯とは、結び(太鼓)の部分を並幅(一重)、その他を半幅(二重)に仕立てた軽装帯のこと。まず着物関係の本を見てみると、『七緒 vol.15 着物からはじまる暮らし』という本で名古屋帯が特集されていました。それによると、名古屋帯は大正時代に名古屋女学校(現・越原学園)を創設した越原春子によって考案され、中村呉服店(現・名古屋三越)が 名古屋帯という名前で商品化したところ、ヒット商品として全国に広まったそうです。
越原春子についての本も見てみましょう。調べてみると、伝記『もえのぼる 越原春子伝』や学校史『春嵐 学園七十年史』などが見つかりました。それらによると、越原が学校の創設に奔走していた時代、女性の服装はまだ着物が主流。少しでも早く着付けできないかと工夫した結果生まれたのが名古屋帯でした。当初、周囲の反応は芳しくなかったそうですが、その後、外商店員として学校を出入りしていた中村呉服店の小澤義男の目に留まり、大正13年に商品化されるやいなや、またたく間に一世を風靡したということです。
調査結果
名古屋帯は名古屋が発祥!手早く身支度を整えられる帯は、当時まだ珍しかった「働く女性」によって考案されたのでした。
今回の調査で使った資料
- 『七緒 vol.15 着物からはじまる暮らし』プレジデント社 2008
- 『きもの用語大辞典』装道きもの学院/編 主婦と生活社 1979
- 『愛知に輝く人々 9』愛知県小中学校長会/編 愛知県教育振興会 1988
- 『もえのぼる 越原春子伝』南部弘/著 越原学園 1995
- 『春嵐 学園七十年史』越原学園七十年史編集委員会/編 越原学園 1985