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調査内容
ウグイスには地域色があって、名古屋の鳴き方があると聞きました。どんな鳴き方ですか?
調査手順
ウグイスについて書かれた資料を確認しました。『目白とうぐいす』という資料のp.143に古老の話として東京や大阪や名古屋のウグイスの鳴かせ方の違いが書かれています。
鳥に関係する資料を確認し、『鳥かご・虫かご』という資料のp.67で鳴き合わせに地域色があるとの記述を見つけました。ウグイスの鳴かせ方は京都、大阪、名古屋、東京で流派が違い、名古屋の流派は「引仮名口」と書かれています。
国立国会図書館デジタルコレクションで、『鶯の研究』という資料が見つかり、p.40に名古屋、金沢地方で飼育愛養され、広い地域で好まれた「引仮名口」という鳴き方が紹介されていました。
調査結果
人間の手によって鳥に教育をし、美声を競わせる遊びを「鳴き合わせ」といい、ウグイス、メジロ、ホオジロの3種が使われていました。その鳴き合わせには地域色があり、ウグイスの名古屋の鳴き合わせの流派は「引仮名口」といいます。
資料によって書き方は違いますが以下のように鳴かせていたようです。『鶯の研究』には、「ホー ホホホホケ キーヨ、ホホー ホケキョ、ヒヒー ホケキョ」と書かれています。『目白とうぐいす』には、「ヒーホケキョ、ホーホケキョ、ホホホホケキョ」と書かれています。『目白とうぐいす』によると、昭和39(1964)年5月5日には、名古屋市鳥獣時事新聞社主催のもと、名古屋で「全日本名鶯大会」が開催され、60羽ほどが名古屋に集まりました。
『日本児童文学 01年5--6月号』のp.76「私の児童文学創作ノート」に名古屋で行われた鳴き合わせ会に連れていってもらった岩崎京子さんの思い出が書かれており、寺町一町を買い切り、お寺に一羽ずつ置いて品評価会をしたようです。ヨウカンやお茶をいただきながら、ウグイスが鳴くのを待っていた様子が書かれています。
『鳥かご・虫かご』p.67には、名古屋で開催された「鳴き合わせ会」の会場案内図が紹介されています。
今回の調査で使った資料
- 『目白とうぐいす』深川景義/著 泰文館 1968年
- 『鳥かご・虫かご』INAX出版 1996年
- 『日本児童文学 01年5--6月号』日本児童文学者協会
- 『鶯の研究:苦心三十年』落合静月/著 鶯声荘 1933年 国立国会図書館デジタルコレクション(2024年6月21日確認)(外部リンク)