- 最近の調査団報告書は名古屋なんでも調査団へ
- これまでの調査団報告書は調査団報告書一覧へ
- PDF版の一覧は調査団報告書一覧(PDF版)へどうぞ
調査内容
うちの近くには「妙音通(みょうおんどおり)」という変わった地名があります。この地名の由来について詳しく知りたいです。
調査手順
『なごやの町名』によると藤原師長(ふじわらのもろなが)という人の法名「妙音院」からとったそうです。藤原師長についてもう少し調べてみましょう。『国史大辞典』に略歴が記載されているほか、『名古屋地名ものがたり』には詳しい説明が載っています。
調査結果
「妙音通」は平安時代後期の公卿、藤原師長の法名「妙音院(みょうおんいん)」からとったようです。藤原師長は笙(しょう)や琵琶の名手で、太政(だじょう)大臣(だいじん)にまで至った方でしたが、平清盛により都を追われ、尾張国井戸田(現在の名古屋市瑞穂区)に配流されてきました。そのため瑞穂区には師長にちなむ謫居(たっきょ)跡などの史跡や師長町などの地名があります。帰京の際には師長を慕う井戸田の横江氏の娘との悲恋伝説があり、名古屋市西区にはこの伝説にちなむ枇杷島(びわじま)などの地名があります。
師長に関係する場所は名古屋市内にたくさんありますので、実際に歩いてみてはいかがでしょうか。
今回の調査で使った資料
- 『なごやの町名』名古屋市計画局/[編] 名古屋市計画局 1992
- 『國史大辭典 12』吉川弘文館 1991
- 『名古屋地名ものがたり』杉野尚夫/著 風媒社 2017