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調査内容
鶴舞中央図書館の前に「伊藤圭介像」があるのを見ました。たしか、どこかの小学校でも伊藤圭介像を見ましたが、それはどこの小学校でしょうか?
調査手順
鶴舞中央図書館玄関前に行ってみると、たしかに「伊藤圭介像」があった。なぜ図書館の前に「伊藤圭介像」があるのだろう?小学校にあるという像と一緒なのだろうか?
『尾張から見た日本と世界の医学史』をよると、図書館にあるのは「伊藤圭介座像」というらしい。「功績を永く後世に伝えるため、県下50万の児童によってこの銅像を建設することになった」と碑文に刻まれており、伊藤圭介顕彰会の建立とわかった。図書館以外にも東山植物園や一部小学校に伊藤圭介像は建立されていることがわかった。
「郷土文化」第33巻3号(通巻124号)には伊藤圭介に関する遺墨遺品など千三百余点の資料が鶴舞中央図書館で展示され、遠方から多くの人が参観したことや、愛知県下の幼稚園から高等学校など576校の児童たち50万人から零細な小遣いを集めたことなどが書かれていた。当時のお金で二百余万円という大金をわずか1年4か月ばかりの短い期間で達成し、昭和32年5月5日子どもの日に伊藤圭介座像の除幕式がおこなわれたと書かれている。
『蘭医学郷土史雑考』には、著者が名古屋市内の伊藤圭介翁像をめぐった文章が書かれている。
調査結果
鶴舞中央図書館の前にある像は「伊藤圭介座像」で、昭和32年に建立された。
伊藤圭介の像は他にも、「伊藤圭介胸像」が東山植物園、名城小学校、御園小学校、吹上小学校にあることがわかった。
今回の調査で使った資料
- 『尾張から見た日本と世界の医学史』第24回日本医学会総会医学史展示小委員会/編集第24回日本医学会総会記念事業会 1998
- 「郷土文化」(第33巻3号通巻124号)「日本科学、文化の先達、理学博士伊藤圭介先生顕彰にかけた人々」(吉川芳秋) 名古屋郷土文化 1979
- 『蘭医学郷土史雑考』吉川芳秋/著 吉川芳秋 1967
- 『医界風土記』(中部篇)日本医師会/編集 思文閣出版 1994
- 『名古屋大学大学史資料室ニュース』第16号名古屋大学大学史資料室/編集・発行 2004年3月
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- 調査団報告書No.81 「鶴舞中央図書館の前に「伊藤圭介像」があるのを見ました。たしか、どこかの小学校でも伊藤圭介像を見ましたが、それはどこの小学校でしょうか?」 <PDF形式,192KB>(2019年8月作成)
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