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調査内容
名古屋では結婚したときに、お嫁さんが家の2階からお菓子をばらまくと聞いたことがある。なぜそのような風習があるのか。
調査手順
『日本の菓子』によると、婚礼の後、近所の人や子供、親類の人たちに手土産として菓子を配る風習は各地にあるそうだ。
『新修名古屋市史 第9巻 民俗編』には、名古屋における「嫁菓子」の風習について書かれており、花嫁が家を出る時と婚家に入る時、二階があれば二階から、なければ梯子を掛けて屋根に登り、嫁方の親せきがばら撒いたという。
その昔、町内や隣町の者が集まり、婚礼のあった家に石を投げ、戸蔀を破り、あるいは輿入れの途中でツブテを打って妨害する習慣があった。この種の妨害に対して祝儀や菓子・酒をふるまってやめてもらう事例は各地にあり、嫁菓子の習慣もこのようなところから生まれた可能性があるとしている。
調査結果
嫁入りを邪魔する儀礼的な妨害があり、それをやめてもらうために菓子をふるまったのが始まりと思われる。
今回の調査で使った資料
- 『新修名古屋市史 第9巻 民俗編』新修名古屋市史編集委員会/編集 名古屋市 2001
- 『『日本の菓子』亀井千歩子/著 東京書籍 1996
- 『日本の民俗 23』第一法規出版 1973