- 最近の調査団報告書は名古屋なんでも調査団へ
- これまでの調査団報告書は調査団報告書一覧へ
- PDF版の一覧は調査団報告書一覧(PDF版)へどうぞ
調査内容
昔の錦画新聞を見ていたところ、明治8年に名古屋で皮膚移植手術が行われたと報じた錦絵がありました。これを行った医師について知りたいです。
調査手順
『蘭医学郷土史雑考』によるところ、ヨングハンスとういう医師が明治7年(1974年)この手術を行ったようです。この手術については当時西洋医学手術が珍しかったため大変話題となり、皮膚提供をしたのが患者の弟であった美談として「大阪錦画新聞」や「官許読売新聞」などでセンセーショナルに報じられたようです。ヨングハンスについては、『名古屋大学最初の外国人教師』や『ヨングハンス覚え書』に詳しく載っていますが、在日期間や本名など不明なことも多いようです。
調査結果
ヨングハンスはドイツ系アメリカ人で明治3年(1870年)には少なくとも日本にいたことが分かります。明治6年(1873年)名古屋大学医学部の前身である西本願寺別院に再興された愛知県仮病院にお雇い外国人教師として赴任し、日本初といわれる皮膚移植手術や、生理学に関するダイジェスト本「原生要論」などの出版に関わり、名古屋の医学発展に寄与しました。アメリカに帰国後は福沢諭吉の子息(福澤一太郎、捨次郎、桃介)の大学留学中の面倒を見ていたようです。
該当の錦絵や『原生要論』、『ヨングハンス契約状』については名古屋大学医学部資料室の『近代医学の黎明デジタルアーカイブ』でデジタル公開されています。
今回の調査で使った資料
- 『蘭医学郷土史雑考』吉川芳秋/著 1967
- 『名古屋大学最初の外国人教師』加藤鉦治/著 名古屋大学大学史資料室 2002
- 中野操 『ヨングハンス覚え書』 医譚42巻59号 日本医史学会関西支部 1970.12(国立国会図書館デジタルコレクション 永続的識別子:info:ndljp/pid/3384036)
- 『近代日本の黎明デジタルアーカイブ』 名古屋大学医学部資料室(2019/1/24:アクセス)(外部リンク)
pdfダウンロード
- 調査団報告書No.75 「昔の錦画新聞を見ていたところ、明治8年に名古屋で皮膚移植手術が行われたと報じた錦絵がありました。これを行った医師について知りたいです。」 <PDF形式,179KB>(2019年2月作成)
PDF形式のファイルを閲覧するにはAdobe Reader(無料)が必要です。
※AcrobatReader5.0以上を推奨しています。