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調査内容
家に犬のおもちゃがあるんだけど、おばあちゃんに聞いたら、それは「犬張子」っていうんだって。「犬張子」について教えて。
調査手順
『日本人形玩具辞典』で「犬張子」を調べてみると、室町時代に京都の上流階級の間で、犬の形をした張り子製の犬筥(いぬばこ)を産室に飾る風習があったらしい。というのも、犬は出産が軽く、子の成長がよいことによったのだそうだ。江戸中期以降、犬の立ち姿を模した江戸の犬張子が出現し、代表的な江戸玩具に数えられたという。それでは、名古屋との関わりを調べてみよう。
調査結果
『日本郷土玩具事典』や『郷土玩具辞典』には、「名古屋の張子」が明治初期から中期の頃に始まったことが書かれており、その中に「犬張子」も挙げられている。犬張子は古来より縁起もので、子どもの無病息災と無事成長を祈り、お宮参りのお祝いにも使われているが、その伝統的な製作者は少なくなってしまったようだ。
今回の調査で使った資料
- 『日本人形玩具辞典』斎藤良輔/編 東京堂出版 1968
- 『日本郷土玩具事典』西沢笛畝/著 岩崎美術社 1983
- 『郷土玩具辞典』斎藤良輔/編 東京堂出版 1971
- 『新修名古屋市史 第9巻 民俗』新修名古屋市史編集委員会/編集 名古屋市 2001
- 『新修名古屋市史 資料編民俗』新修名古屋市史資料編編集委員会/編集 名古屋市 2009
- 『なごや地方の郷土玩具』名古屋観光推進協議会/編 名古屋観光推進協議会/編 1976