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調べ物案内

調査団報告書No.36

調査内容

最近、名古屋土人形というものがあることを初めて知りました。なにか資料はありますか?

調査手順

お知りになったのが名古屋市博物館の「いつだって猫展」だったとのことで、展覧会の図録を確認。まあなんて立派な名古屋土人形の招き猫!でもあまり説明はありません。土人形か郷土玩具の本に何かあるかも...。あれ、本によって始まった時期の説明が違う? どうしてなのかも調べなくては!

調査結果

解決スタンプ

まずは、名古屋土人形に関する資料をご紹介します。
『郷土玩具辞典』
もっとも詳しく書かれています。始まった時期は明治初年となっています。図版は白黒が一点。
『日本の土人形』
図版は白黒1点。
『全国郷土玩具ガイド2』
簡単な説明ですが明治初年説と明治以前説が併記されています。カラー図版で複数点紹介。
『天神さん人形』
明治以前説のみの説明ですが、天神人形については詳しい説明とカラー図版多数あり。
『愛知の土人形』
多数の図版(カラー白黒共)が載っています。
さて、なぜ資料によって始まった時期の説明が違うのか...。『全国郷土玩具ガイド2』p.228-229によりますと、名古屋土人形の始まりは、かつては、明治の初期に御器所七本松の伊藤友松によってではないかという説が有力だったようです。しかし、昭和61(1986)年に古谷哲之輔氏が『郷玩文化』通巻53号で「天保15(1844)年刊の大蔵永常著『広益国産考』に名古屋の土人形の記述があり、明治以前にすでにあったのではないか」という説を発表し、資料によって説明が違ってしまっているのですね。なんにしても明治末期から昭和初期までは何人かが作っていた名古屋土人形も、平成元(1989)年9月に最後の製作者野田末吉氏が他界して、残念ながら廃絶してしまったそうです。でも『広益国産考』(大蔵永常/著 岩波書店 1946)に記述があるなんて名古屋の土人形は江戸時代から有名だったのですね。ほら、p.230-232の六之巻「雛」に名古屋が出てますよ。

今回の調査で使った資料

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