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調査内容
カンカン部隊って、何のこと?
調査手順
『新修名古屋市史 第9巻』に説明があった。「太平洋戦争で、戦災を受けた新道町・明道町方面は問屋町としての性格を強め、菓子袋、包装紙、菓子ケースから模型屋、玩具屋など菓子関連企業をすべて集めた菓子の町として発展した。昭和三〇年代の高度経済成長期には(中略)カンカン部隊とよばれる人たちの買い出しで早朝からごった返した。カンカン部隊とは中卸業者のことで、一八リットル缶を多いときには一〇本ほど背負って商品を運んでいた。」
他に説明している本はないか探してみる。なごやコレクションの郷土検索データベースで検索すると、『名古屋今昔写真集 第1巻』がヒットした。「食料品などを市場や問屋で仕入れ、それを担いで売り歩く女性たちを「カンカン部隊」と呼んだ」ということだ。昭和43年に堀川駅前で撮影された写真が掲載されている。昭和51年の様子は『名鉄電車 昭和ノスタルジー』で確認できた。
名古屋だけでなく、全国的に「カンカン部隊」はいたようだ。伊勢・志摩地方や島根県の行商人の説明・写真が「カンカン部隊」として紹介されていた。「鉄道利用の魚行商に関する一考察」には、「鉄道による魚行商が全国的に顕著となるのは、戦後の復興期以降のことである。その形態はおおよそ共通していて、主に女性が従事すること、集団であること、そしてブリキ製のカンを運搬具として使用するところに特徴がある。使用道具のカンにからめて「カンカン部隊」あるいは「ガンガン部隊」などとよばれ」ると書かれていた。
調査結果
「食料品などを市場や問屋で仕入れ、それを担いで売り歩く女性たち」のこと。
今回の調査で使った資料
- なごやコレクション
- 『名古屋今昔写真集 第1巻』林董一/監修 保存版 樹林舎 2007
- 『物見遊山と日本人』神崎宣武/著 講談社 1991
- 『写真ものがたり昭和の暮らし 4』須藤功/著 農山漁村文化協会 2005
- 『新修名古屋市史 第9巻』新修名古屋市史編集委員会/編集 名古屋市 2001
- 『名鉄電車 昭和ノスタルジー』徳田耕一/著 JTBパブリッシング 2013
- 『国立歴史民俗博物館研究報告 第167集』山本志乃「鉄道利用の魚行商に関する一考察」人間文化研究機構国立歴史民俗博物館 2012
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- 調査団報告書No.35 「カンカン部隊って、何のこと?」 <PDF形式,219KB>(2015年10月作成)
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