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調査内容
熱田の宮の渡し公園で、復元された「時の鐘」を見たよ。他に時を知らせる鐘はなかったのかな?それから鐘を撞くタイミングはどうやって計っていたんだろう?
調査手順
まずは『名古屋市史 地理編』を見てみよう。熱田の蔵福寺の他に、桜天神にも鐘があったと書かれている。この二か所だけ?もっとあるんじゃないかな?
『尾張の遺跡と遺物』、この本が使えそう。お、あった、あった!清洲清凉寺、鳴海如意寺、横須賀長源寺の鐘のことがのっていた。横須賀は東海市だね。他にも当時の記録をさがしてみると、五百羅漢大龍寺でも時の鐘を撞いていたことが分かったよ。
撞くタイミングはどうなんだろう?『名古屋市史 地理編』によると抹香を焚いて昼夜を計っていたらしい。遊郭で線香を使って時間を計ってたっていうのは聞いたことあるけど、抹香ってことは粉のお香だね。時計の本をみていくと、香時計っていうのがあった。香を灰の中に線条に埋めてその燃える速さで時を計ったんだって。誰が使っても一定の量の香を埋めることができる道具もあったそうだよ。
調査結果
鐘は熱田蔵福寺の他に桜天神、清洲清凉寺、鳴海如意寺、横須賀長源寺、五百羅漢大龍寺にもあり、 住民や旅人に時を知らせていた。鐘を撞く時間は香時計で計っていた。
今回の調査で使った資料
- 『名古屋市史 地理編』名古屋市/編 愛知県郷土資料刊行会 1980年 p.712
- 『尾張の遺跡と遺物 上』愛知県郷土資料刊行会 1981年 p.149,544
- 『尾張の遺跡と遺物 下』愛知県郷土資料刊行会 1982年p.458
- 『名古屋叢書三編 第14巻』名古屋市蓬左文庫/編 名古屋市教育委員会 1986年 p.358
- 『産業遺産研究』第18号産業遺産研究編集委員会/編集 中部産業遺産研究会 2011年
- 『時計と人間』織田一朗/著 裳華房 1999年
- 『暦と時の事典』内田正男/著 雄山閣出版 1986年