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調査内容
毎年秋になると、名古屋城での菊花大会の広告を見ますが、今でもちゃんと菊人形ってあるのですね。名古屋では菊人形は昔からポピュラーだったのですか。
調査手順
菊人形ですか。秋になると、歴史上の有名人とか大河ドラマの主人公とかが、菊の花をまとった等身大の人形になって飾られている、アレですね。ちょっと調べてみましょうか。うーん、なんにでも研究者はいますね。ありがたいことに、菊人形にもいました。おお、名古屋と菊人形についても書かれています。けっこう、名古屋と菊人形って、関わりが深かったようですね。
調査結果
菊人形は江戸時代(18世紀前半ぐらい)にあらわれ、明治時代に興行が全国に定着したとのこと。名古屋では大須に「黄花園(こうかえん)」という菊人形館が明治26年に開設され、なんと、明治39年からは全国進出をして、菊人形展を全国に普及させるきっかけとなったそうです。大須には明治36年に、もう一軒「花やしき」という菊人形館も開設され、しのぎを削ったとか。当時のにぎわいの様子を『大須物語』でうかがうことができます。残念ながら、「花やしき」は明治とともに、そして「黄花園」も昭和11年に興行から撤退。でも、昭和23年に始まり、今もつづく「名古屋城菊花大会」で名古屋では菊人形の展示がおこなわれているわけです。菊人形は昔から名古屋人にはなじみ深い秋の風物詩なのですね。
今回の調査で使った資料
- 『わたしは菊人形バンザイ研究者』川井ゆう/著 新宿書房 2012年
- 「尾張・三河と菊人形興行」 川井ゆう/著 『郷土文化 第59巻第2・3号』 名古屋郷土文化会 2005年 pp41-66
- 『大須物語』大野一英/著 中日新聞社 1974年 pp.209-214
- 『名古屋城史』名古屋城/編 名古屋市役所 1959年 p.414