- 最近の調査団報告書は名古屋なんでも調査団へ
- これまでの調査団報告書は調査団報告書一覧へ
- PDF版の一覧は調査団報告書一覧(PDF版)へどうぞ
調査内容
広小路はいつできたの?
調査手順
まず、名古屋市史を調べよう。索引を引くと、『名古屋市史』地理編p.96~97と『新修名古屋市史』第3巻p147、179、291~292に広小路についての記述があった。万治三年(1660年)に大火事があり、当時の町の大半が罹災した。広小路は、その後、防火のために堀切筋を拡張してできたものだそうだ。広小路に関する本を探してみると、『広小路物語』と『名古屋広小路ものがたり』が見つかった。『広小路物語』には火事の様子が詳しく書かれている。当時の火事を記した地図「名古屋大火図」「出火之図」(いずれも名古屋市史編纂資料)を見てみた。赤い部分が火事になった場所で、かなりの範囲に被害があったようだ。『名古屋広小路ものがたり』を読むと江戸から昭和にかけての移り変わりが分かる。江戸時代の尾張の名所を集めた『尾張名所図会』巻之一にも広小路が載っていた。大通りが人でいっぱい!賑やかな様子が伝わってくる。
調査結果
"左義長火事"とも呼ばれる万治三年(1660年)の大火後、久屋町通りから長者町通りまでの堀切筋の道幅を広げて広小路ができた。道幅は十五間(27,27m)となったが、実際はそれより狭かったという説もある。『尾張名所図会』の「広小路夜見世」の場面に見られるように、広小路はさまざまな店が並び賑わう大通りとして発展していった。街並みは時代によって変わってきたけれど、現在も多くの人々が行きかう名古屋のメインストリートの一つだ。
今回の調査で使った資料
- 『名古屋市史 地理編』名古屋市/編 愛知県郷土資料刊行会 1980 (大正5年刊行の複刻版)
- 『新修名古屋市史 第3巻』新修名古屋市史編集委員会/編集 名古屋市1999
- 『広小路物語』大野一英/著 六法出版社 1976
- 『名古屋広小路ものがたり』沢井鈴一/著 堀川文化を伝える会 2010
- 『尾張名所図会』前編(版本地誌大系 17)岡田啓/撰 臨川書店 1998
- 「名古屋大火図」(市20--162)「なごやコレクション」
- 「出火之図」(市20--90)「なごやコレクション」
pdfダウンロード
- 調査団報告書No.16 「広小路はいつできたの?」 <PDF形式,159KB>(2014年3月作成)
PDF形式のファイルを閲覧するにはAdobe Reader(無料)が必要です。
※AcrobatReader5.0以上を推奨しています。