- 最近の調査団報告書は名古屋なんでも調査団へ
- これまでの調査団報告書は調査団報告書一覧へ
- PDF版の一覧は調査団報告書一覧(PDF版)へどうぞ
調査内容
大河ドラマで江戸時代の江戸(東京)の出版の話を見ているけど、尾張名古屋の出版はどんな感じだったの?
調査手順
そのものズバリ『名古屋の出版 江戸時代の本屋さん』を見てみます。江戸時代の出版は京都、大坂(大阪)、江戸が中心で、その三都の書林(本屋)仲間を通すのが慣例であり、ほぼ三都の独占体制であったとのこと。しかし尾張藩9代藩主宗睦の時代、学問を振興し藩校明倫堂を興すなどの流れの中で、尾張の書林は藩校の教授たちの著作を自分たちが自由に刊行できるよう請願し、尾張藩は許可を与え援助しました。これにより尾張の出版は活性化し、三都に次ぐ出版量となりましたが、三都の書林にとっては大きな脅威だったため、結束して圧力をかけたようです。
『日本書誌学大系82 尾張の書林と出版』には、尾張の書肆「永楽屋東四郎」の、蔦屋重三郎との提携についても取り上げられています(P31-37)
調査結果
学問振興をはかる9代藩主宗睦のもとで、教科書(藩校の教授の著作)出版からはじまり、京都、大坂、江戸に次ぐ全国4位の規模でしたが、いろいろと大変だったようです...。
今回の調査で使った資料
- 『名古屋の出版 江戸時代の本屋さん』名古屋市博物館/編 1981
- 『日本書誌学大系82 尾張の書林と出版』青裳堂書店 1999
- 『尾張出版文化史』太田正弘/著 六甲出版 1995
- 『新修名古屋市史 第4巻』新修名古屋市史編集委員会/編集 1999