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調査内容
温水プールで泳いだ殿様がいたって、ほんと!?
調査手順
江戸時代の土木技術で温水プールが造れたのか、 そもそも武士の水練の場が温水プールであっていいのだろうか。疑問を抱きながら調査を開始した。
殿様を特定するべく、インターネットで「温水プール」「尾張藩主」と検索してみる。いくつかヒットした記事の中に、4代目尾張藩主「徳川吉通」の名前があった。
次に名古屋市の公式の歴史書「名古屋市史」の「政治編1」を確認する。徳川吉通について書かれたページ(p.140)に次のように書かれていた。
「寶永四年八月の盛暑にありてすら、水練をなすに冷水を厭ひ、新造の船に微温湯を盛りて習練せりと傳へらる、...(以下略)」
引用元の『鸚鵡籠中記』※も確認する。p.236に、「水御稽古のために巾三間(約5.46m)に長さ十五間(約27.3m)の水船を造る。八百両余の御物入。水つめたきとて、大釜八口かけて、ぬる湯にわかす。薪大分入と云々。...(以下略)」とある。
噂は事実だった。しかしこの巨大水船、大金をはたいて作ったものの一回で使いものにならなくなったとのこと。江戸時代とはいえ、とんだ殿様がいたものだ。
*『鸚鵡籠中記』は、尾張藩士で噂好きの朝日文左衛門が26年かけて綴った日記。内容は城下で起こった珍事件など。現代人にも読みやすくまとめた『元禄御畳奉行の日記』も出版されている。面白いので興味がある方は読んでみられたし。
調査結果
ほんとでした。
名君とも言われる徳川吉通にこんなエピソードがあったとは!
今回の調査で使った資料
- 『名古屋市史 [第2巻](政治編 第1)』名古屋市/編 愛知県郷土資料刊行会 1979
- 『名古屋叢書 続編 第11巻 鸚鵡籠中記 3』名古屋市教育委員会/編 愛知県郷土資料刊行会 1968
- 『元禄御畳奉行の日記 尾張藩士の見た浮世』神坂次郎/著 中央公論社 1984
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- 調査団報告書No.145 「温水プールで泳いだ殿様がいたって、ほんと!?」 <PDF形式,227KB>(2024年12月作成)
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