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調査内容
「やっとかめ」って「八十日目」って書くってホント??
調査手順
「やっとかめ」って「久しぶり」って意味の名古屋弁だから、方言の本を調べてみよう!
まず手に取ったのは分厚い『名古屋方言の研究』。「八十日目」については書かれていなかったけど、「やっとかめ」は明治二十年に初めて文献に出てくるんだって。江戸時代には使われていなかったかもしれないってことは、案外新しい言葉なのか?!
その他、方言の本がたくさんある中で、「八十日目」に言及していたのは7冊あったよ。
『東海の方言散策』、『名古屋弁重要単語熟語集』、『東海のことば地図』、『地方別方言語源辞典』の4冊では、「八十日目」は当て字や俗説とあり、「やっと」は「長い間」という意味で「八十」とも「○日目」とも関係がないと書いてある。『試験に出る名古屋弁会話集中講座』と『やっとかめ!大名古屋語辞典』の2冊には、「八十日目」と書く説もあるとのこと。『しゃべってみや~名古屋弁』には、「やっとかめ」の項目にカッコ書きでただ八十日目と書いてあるだけで説明は全くなかった。
調査結果
多数決だと、「八十日目」とは書かないという結果。言葉は使っているうちにどんどん変わっていくけれど、2000年の名古屋弁についての意識調査では、残したい好きな言葉№1に選ばれた「やっとかめ」。ちゃんと残していくために今度使ってみーようっと♪
今回の調査で使った資料
- 『名古屋方言の研究 江戸時代編』芥子川律治/著 1971年
- 『東海の方言散策』山田達也/[他]著 1992年
- 『名古屋弁重要単語熟語集』舟橋武志/著 1992年
- 『東海のことば地図』竹内俊男/著 1982年
- 『地方別方言語源辞典』真田真治/編 2007年
- 『試験に出る名古屋弁会話集中講座』二代目勤勉亭親不孝/著 1995年
- 『やっとかめ!大名古屋語辞典』清水義範/著 2003年
- 『しゃべってみや~名古屋弁』全国方言研究会/編 2009年
- 朝日新聞2000年5月23日朝刊20面