- 最近の調査団報告書は名古屋なんでも調査団へ
- これまでの調査団報告書は調査団報告書一覧へ
- PDF版の一覧は調査団報告書一覧(PDF版)へどうぞ
調査内容
堀川に架かる五条橋の擬宝珠(ぎぼし)は名古屋城に保管されていて、今ついているものはレプリカだとききました。貴重なものなのでしょうか?
調査手順
『名古屋市史』によると、この橋は、もともとは清須の五条川に架かっていた橋で、1610年(慶長15年)から始まる、名古屋城の築城に伴い清須城下をまるごと名古屋へ移すいわゆる「清須越し」によって現在の場所に移されました。
『尾張名所図会』には清州にあったときの話が書かれており、『尾張名陽図会』には清州越し後の姿が描かれています。擬宝珠には「五条橋 慶長七年壬寅六月吉日」と銘があり、清須越し以前に造られたことがわかります。
『西区100年のあゆみ』などによると、1938年の改築の際に取り外され、現在は名古屋城に保管されています。
1986年の新聞記事を見てみると、歴史ある橋を昔の姿に戻そうという地元の人たちの運動が実り、青銅製の擬宝珠が復元され記念式典が行われたと書かれています。すぐそばの円頓寺商店街では記念セールも開催されたそうですよ。
調査結果
400年以上昔、徳川家康が行った清須越しを物語る歴史的な史料でした。
今回の調査で使った資料
- 『名古屋市史 [第8巻](地理編)』名古屋市/編 愛知県郷土資料刊行会 1980
- 『日本名所風俗図会 6』角川書店 1984
- 『西区100年のあゆみ』西区制100周年記念事業実行委員会/編集 西区制100周年記念事業実行委員会 2008.4
- 『史料が語る名古屋城石垣普請の現場』名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所名古屋城調査研究センター/編集 名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所名古屋城調査研究センター 2022.3
- 『保存情報 3』日本建築家協会東海支部愛知地域会保存研究会「保存情報Ⅲ」出版編集委員会/編集 日本建築家協会東海支部愛知地域会保存研究会 2015.10
- 「中部読売新聞」1986年5月1日・「毎日新聞」1986年5月3日
pdfダウンロード
- 調査団報告書No.123 「堀川に架かる五条橋の擬宝珠(ぎぼし)は名古屋城に保管されていて、今ついているものはレプリカだとききました。貴重なものなのでしょうか?」 <PDF形式,307KB>(2023年2月作成)
PDF形式のファイルを閲覧するにはAdobe Reader(無料)が必要です。
※AcrobatReader5.0以上を推奨しています。