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調査内容
守山消防署に立つ消防士の像について由来が知りたい。
像の作者の来歴や、その他の作品も知りたい。
調査手順
守山消防署の歴史を『消防三十年のあゆみ』で調べると、「消防像」について、「昭和47年4月守山消防署が改築された記念に制作寄贈を受けた」と記述がありました
作者は「彫刻家 後藤白童氏」とあり、彼について資料を探すと『ある彫刻家の記録』に来歴や作品に関する情報の記載がありました。
後藤白童氏は静岡県の出身で、守山に暮らしました。16歳の時に、関東大震災が原因で聴力を失いますが、その後、彫刻家を志します。仏像を中心に数多くの作品を掘り続け、生涯を通じ22回も日展(日本美術展覧会)入選を果たしました。
彼の他の作品には名古屋城前にかつて立っていた樹齢400年の大樹モッコクから彫り出した「モッコクの精」や、愛知県美術館所蔵の「七面鳥」、故郷である静岡県の河津に立つ「曽我兄弟銅像」といった彫刻があります。
調査結果
消防士の像は、守山ゆかりの彫刻家によって制作・寄贈された作品でした。
今回の調査で使った資料
- 『[名古屋市守山区]消防三十年のあゆみ』名古屋市守山消防署発足30周年記念誌編集委員会/編集 名古屋市守山消防署発足30周年記念誌編集委員会 1993
- 『ある彫刻家の記録』吉田豊作,中紙要 後藤白童工房 1983
- 『愛知県美術館所蔵作品目録』愛知県美術館/編集 愛知県美術館 1993
- 『中部読売新聞』1985年1月22日朝刊
- 『朝日新聞』1998年2月25日夕刊
- 『中日新聞』1998年2月26日朝刊