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調査内容
熱田神宮の境内に大きな石の燈籠がありますが、これはいつ頃どのようなことで建立されたのでしょうか。
調査手順
まず熱田神宮に関する資料ということで熱田神宮宮庁/編の『熱田神宮』を見てみると、石燈籠の「佐久間燈籠」についての記述を57ページに見つけることができました。また『名古屋市史』によるとかつて御器所を拠点とした佐久間一族の御器所城主であった佐久間盛次の四男である勝之により、寛永7(1630)年に寄進されたと確認することができます。『尾張の遺跡と遺物 上巻』では「佐久間燈籠」全体の外観の見取り図を見ることもできました。
調査結果
高さ二丈四尺(7メートルを超える高さ)の「佐久間燈籠」と呼ばれるこの大きな石燈籠は、佐久間勝之が航海の際に暴風に遭遇し、熱田神宮に祈願したところ無事に難をのがれたところから、寛永7(1630)年に熱田神宮にお礼として寄進されたと伝えられています。また宝永4(1707)年の宝永地震以降3度倒壊しましたが、いずれも復元されています。なお勝之は熱田神宮以外にもこのような大きな石燈籠を、京都の南禅寺や東京上野東照宮にも寄進しています。
今回の調査で使った資料
- 『熱田神宮』熱田神宮宮庁/編 熱田神宮宮庁 2008
- 『熱田神宮』篠田康雄/著 學生社 1968
- 『名古屋市史(地理編)』名古屋市/編 名古屋市 1916
- 『尾張の遺跡と遺物 上巻』愛知県郷土資料刊行会 1981
- 『熱田神宮とその周辺』田中善一/著 名古屋郷土文化会 1968
- 『あつた』第129号から130号 熱田神宮宮庁 1984