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調査内容
「みどり子ども図書館」について知りたいです。名前からして緑区にあった?どんな図書館だったんでしょう?
調査手順
まず、記念誌『みどり子ども図書館の10年』を見ます。同館は昭和61(1986)年11月、当時の中川区富田町新家に開館した私設図書館です。外観は教会風の2階建ての建物で、月・水曜日を除く午後1時から6時まで無料開放されていました。一人2冊まで図書の貸出が可能で、開館から10年で累計登録者数が1万人、総貸出冊数は46万冊を超えています。
『中日新聞』や『朝日新聞』の記事によると、閉館前年の平成12(2000)年には登録者数が1万3千人を、総貸出冊数は58万冊を超え、蔵書も2万5千冊に達していたようです。
新聞や『図書館雑誌』『こどもの本』といった雑誌に掲載された館長・佐藤宗夫さんのインタビューからは同館の雰囲気がうかがえます。「本のある遊び場」がモットーで、子どもたちからは「自由に遊べて本も読める所」として親しまれました。また私設図書館でありながら最盛期には4人もの専任司書が所属し、子どもたち一人ひとりに読み聞かせを行うなど「読書の楽しさ」を広めるため活躍していました。蔵書に関しても、千種区の「メルヘンハウス」[日本初の子どもの本専門店。平成30(2018)年に一度閉店したものの令和3(2021)年に復活]に直接出向き選書を行なうなど、こだわり抜かれたものでした。
しかし後継者の不在もあり、平成13(2001)年惜しまれつつも同館は閉館したのでした。
調査結果
みどり子ども図書館は、読書も遊びも楽しめる「子どもの楽園」でした。
今回の調査で使った資料
- 『みどり子ども図書館の10年』みどり子ども図書館/[編] みどり子ども図書館 1996
- 中日新聞1993年3月18日朝刊16面、2000年7月31日夕刊10面
- 朝日新聞1996年2月20日朝刊愛知面、2000年7月31日夕刊9面
- 『図書館雑誌』92巻8号(1998年8月号)
- 『こどもの本』第27巻12号(2001年12月号)