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調査内容
1960年頃に港区の中学校に「スクール市電」というのがあったと聞いたんだけど、どんなものだったの?スクールバスと違って線路の上を走るんだろうし、中学校の生徒のために市電が走っていたの?
調査手順
名古屋市交通局の『市営五十年史』の年表を見てみると、p.634に「昭和38(1963)年9.3 東港中学校スクール電車(連結車1両)運転開始」とあります。東港中学校の学校史を見てみましょう。『名古屋市立東港中学校30年のあゆみ』p.18に昭和38年の出来事としてスクール電車がとりあげられています。P.35にはスクール電車が走ることになった経緯が書かれています。
そして当時の新聞。『中部日本新聞』昭和38年9月1日朝刊6面に「全国初の"スクール電車"新学期から走る 通学難、父兄の願い実る」という見出しで、9月3日夕刊6面に「東港中学スクール電車走り出す 大喜びの260人 "事故から守る"父兄の願いかなう」という見出しで記事がありました。
調査結果
『名古屋市立東港中学校30年のあゆみ』によると、「東側に開閉橋をもった旧港新橋は幅員がせまく、自動車交通のはげしくなるとともに、生徒の歩行通学が非常に危険になったので、新橋が完成するまでの条件で運行されるもので、市交通局最初で最後の特例であった」そう。車両横に「東港中学スクール電車」と書いた看板をつけ、昭和町電停を出発し、熱田駅前で折り返して東港中学校前の港楽町電停まで走る、中学生を交通事故から守るための特別な市電でした!
今回の調査で使った資料
- 『市営五十年史』名古屋市交通局/編 名古屋市交通局 1972
- 『名古屋市立東港中学校30年のあゆみ』[名古屋市立東港中学校]30周年記念行事委員会記念誌編集委員会/編 名古屋市立東港中学校 1977
- 中部日本新聞縮刷版 昭和38年9月1日朝刊、9月3日夕刊