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調査内容
今年(2021年)16年ぶりに名古屋城の金鯱が地上に降りてきたね。昔名古屋城の金鯱は外国にも行ったことがあるって聞いたよ、本当かな?
調査手順
まずは今回金鯱が降ろされることになった「名古屋城金シャチ特別展覧」と平成17(2005)年に行われた「新世紀・名古屋城博」のガイドブックを見てみよう。それらによると、明治6(1873)年に開催されたウイーン万博に金鯱が出品されたとある。金鯱はほかの日本の工芸品とともに日本ブームを巻き起こした。しかし、万博終了後に出品物や土産品などを積んだ船が伊豆半島沖で座礁してしまう。金鯱も海底深く沈んでしまった!と思われたのだが、金鯱は香港で荷物の積み替えを行った際、その大きさのため後便に載せられることなり無事に日本に帰ってこられたんだ。
次に万国博覧会についての資料も見てみよう。『日本博覧会史』には、「博覧会出品の珍物集金鯱等」の図版が載っていて、医師で植物学者でもあるシーボルトの息子の助言により、名古屋城の金鯱も博覧会に出品されることになったことなどが書かれているよ。
調査結果
名古屋城の金鯱は明治6(1873)年1月に横浜港を出発し、ウイーン万博に出品された。金鯱は日本展示地区入り口の目立つ場所に置かれ、展示の目玉として紹介されていたよ。金鯱は今も昔も日本だけでなく外国の人をも魅了するお宝だということだね。
今回の調査で使った資料
- 『名古屋城金シャチ特別展覧公式ガイドブック』中日新聞社/編集 名古屋城金シャチ特別展覧実行委員会 2021年
- 『よみがえる金鯱伝説 新世紀・名古屋城博』新世紀・名古屋城博開催委員会 2005年
- 『日本博覧会史』山本光雄/著 理想社 1970年
- 『明治日本と万国博覧会』伊藤真実子/著 吉川弘文館 2008年
- 『特別史蹟・名古屋城年誌』服部鉦太郎/著 名古屋城振興協会 1981年
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- 調査団報告書No.103 「今年(2021年)16年ぶりに名古屋城の金鯱が地上に降りてきたね。昔名古屋城の金鯱は外国にも行ったことがあるって聞いたよ、本当かな?」 <PDF形式,386KB>(2021年6月作成)
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