展示期間:2020年12月19日(土曜日)~2021年1月14日(木曜日)
伊藤圭介(1803~1901)は尾張名古屋生まれの日本を代表する植物学者です。シーボルトに学び、「おしべ」「めしべ」「花粉」の単語は圭介が名づけました。医学、博物学にも精通し、種痘、解剖、砲術など西洋科学の移入に尽力。86歳で日本初の理学博士になっています。
NHK大河ドラマ『青天を衝け』主人公・渋沢栄一(商業家)、伊藤博文(政治家)、福沢諭吉(教育家)らと同じく、科学者では97歳の圭介が明治32年の雑誌『太陽』による投票で、明治十二傑に選ばれました。千種図書館は伊藤圭介と明治十二傑に関する本を取り寄せました。
圭介の遺品を多数所蔵する東山動植物園と隣接していて、交流の深い千種図書館では、没後120年を迎える2021年を伊藤圭介イヤーとして、圭介を顕彰する展示や催しを予定しています。お楽しみに。
■ 主な展示資料 ■
No. | 書名 | 著者名 | 出版者 | 出版年 | 分類 | コメント |
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1 | 伊藤圭介の生涯とその業績 生誕二百年記念 | 名古屋市東山植物園 | 2003 | A289 | 名古屋市東山動植物園には「伊藤圭介記念室」があり、圭介の遺品や研究者の研究成果である蔵書などが多数寄贈されている。圭介生誕200年を記念して「記念室」の蔵書や蔵品を展示した展覧会の図録。豊富な図版とわかりやすい内容は圭介を初めて知る人にもおすすめ。 | |
2 | 日本初の理学博士伊藤圭介の研究 | 土井康弘/著 | 皓星社 | 2005 | A289 | 膨大な資料を詳細に調査して、圭介の尾張での医者時代や東京での明治政府勤務下の活動や交流、内外の評価、日本初の理学博士取得の背景を探っている。 |
3 | よみがえれ!シーボルトの日本博物館 | 国立歴史民俗博物館/監修 | 青幻舎 | 2016 | 2893 | ヨーロッパに日本を紹介するシーボルトの日本展示をテーマに名古屋市博物館などで開催された展覧会の公式図録。英国人画家のスケッチを元にした圭介の肖像画や圭介がシーボルトの長男に送った書簡が収録されている。 |
4 | 冬の派閥 | 城山三郎/著 | 新潮社 | 1985 | 9136 | 幕末の動乱に揺れる尾張藩の命運と尾張藩士による北海道八雲開拓の苦難を、藩主・徳川慶勝とその御典医・能見喜介の目から描いた歴史小説。洋学者の圭介は喜介によって蘭方医として見いだされ、外国に目を向けた慶勝に抜擢(ばってき)される描写がある。 |
5 | 仙台藩最後のお姫さま 北の大地に馳せた夢 | 伊達宗弘/編 | 新人物往来社 | 2004 | 2891 | 圭介と同じく明治十二傑に選ばれた伊達邦成とその義母で仙台藩主の姫だった保子を子孫がつづった伝記。邦成は亘理伊達家領主だったが戊辰戦争で敗北。明治政府から領地を没収され路頭に迷う旧家臣らと北海道に移住。欧米式農業を導入して開拓に尽力。陰ながら支えた保子は「開拓の母」とよばれた。 |