ここがスゴイ!
幅広く膨大な蔵書を誇り日本一の貸本屋として名高かった、江戸明治の貸本屋大惣の礎を築いた。
こんな人生を送ってきました
幼名富太郎、隠居後は新六に改名した。屋号は大野屋、胡月堂(こげつどう)。
大野屋の名前は祖先が知多郡大野村の出身だったことに所以する。知多郡在住の頃から代々書物を蒐集することを好んでいたようだ。大野屋の三代目が貸本屋大惣の初代大野屋惣八で、彼以降、大野屋の主人は惣八を代々襲名することになる。
初代惣八は享保13(1728)年に船入町(現在の名古屋市中村区)で生まれた。当時の家業は酒屋だった。
宝暦4(1754)年8月に薬種の販売も始める。その傍ら趣味として古書珍書を集め、自分でも写したり、また時にはごく懇意の人に無料で読ませて楽しんでいた。
明和4年(1767)9月、薬屋の傍ら貸本屋も創業、店は繁盛したようだ。
(『感興漫筆』では商売に失敗して破産してしまったのを、岐阜に住む兄に援助してもらい、書物数百巻を購入、伝馬町で貸本屋を創業したともある。)
隠居後の享和2(1802)年6月にはひいきの曲亭馬琴が店を訪れ、一文書いてもらった。文化8(1811)年11月4日、享年84歳でなくなった。
もっとくわしく知りたいあなたに
- 『尾張出版文化史』太田正弘/著 六甲出版 1995
- 『貸本屋大惣』貸本文化研究会/編 貸本文化研究会 1982
- 「郷土文化」第8巻1号-2号 郷土文化会 1953
- 『郷土文化論集』安藤直太朗/著 安藤直太朗先生古希記念出版会 1973
- 『近世貸本屋の研究』長友千代治/著 東京堂出版 1982
- 『逍遥選集 第12巻』逍遥協会/編 第一書房 1977
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