- 最近の調査団報告書は名古屋なんでも調査団へ
- これまでの調査団報告書は調査団報告書一覧へ
- PDF版の一覧は調査団報告書一覧(PDF版)へどうぞ
調査内容
名古屋城の外堀でホタルを見つけました。都心にホタルがたくさんいるのはどうして?
調査手順
調査すると、約50年前に竹内重信さんという方が中心になって、本格的なホタルの保護活動が始められたことが分かりました。
残念ながら竹内さんは平成11年(1999)に亡くなりましたが、その遺志をついで多くの方がホタルの保護と観察に取り組んでいます。
また竹内さん達による調査記録の一部が名古屋市科学館の紀要にまとめられていました。
調査結果
名古屋城の外堀に住んでいるのはヒメボタルという陸上で成長するホタルです。かつては「山のホタル」と言われていましたが、名古屋城の外堀にもひっそりと暮らしてきました。昭和50年(1975)に大発生し、広く知られるようになります。
当時、外堀の中を走っていた名鉄瀬戸線の駅で駅員をしていた竹内さんもこの大発生に遭遇し、ホタルに魅了されました。しかし、有名になった名古屋城のホタルは多くの人が見物に訪れたことで生息地が荒れ、激減してしまいました。
「このままではホタルが絶滅してしまう」と感じた竹内さんは毎年ホタルが現れると見物客に保護を呼びかけ、研究者と一緒に観察を続けました。また竹内さん達の要望により、外堀に保護区が設置され、生息地周辺ではホタルに配慮した工事や街路灯の設置が行われました。
その結果、再びたくさんのホタルが名古屋城外堀で見られるようになりました。
今回の調査で使った資料
- 『名古屋城外堀ヒメボタル』竹内重信/著 エフエー出版 1985
- 『名古屋市科学館紀要 第34号』名古屋市科学館/編 名古屋市科学館 2008
- 『ひめぼたるに夢のせて』名古屋城外堀ヒメボルを受け継ぐ者たち 2010
- 『中日新聞』 1975年5月26日 朝刊 19面